治療方法
緑内障のタイプに合わせて「薬物療法」「レーザー治療」「手術療法」に分かれます。
緑内障のタイプと主な治療方法
原発開放隅角 緑内障 |
原発閉塞隅角 緑内障 |
||
---|---|---|---|
薬物療法(点眼) | ◯ | ◯ | |
レーザー治療 | レーザー虹彩切開術 | ー | ◯ |
レーザー線維柱帯形成術 | ◯ | ー | |
手術療法 | 線維柱帯切開術 | ◯ | ◯ |
線維柱帯切除術 | ◯ | ◯ |
原発開放隅角緑内障は、点眼薬を主体とした薬物療法が一般的です。
原発閉塞隅角緑内障は、レーザー虹彩切開術を行い眼圧を下げるのが基本です。
急性緑内障発作が起こった場合も同様です。
原発開放隅角緑内障の人で、薬物療法を行っても眼圧が十分に下がらない場合には、線維柱帯切除術、あるいは線維柱帯切開術を行います。レーザー線維柱帯形成術はその効果が不安定ですので、積極的には行いません。
術後にコンタクトレンズを使用したい方には、線維柱帯切開術が行われます。ただし眼圧を下げる効果は、線維柱帯切除術ほどには期待できません。
線維柱帯切開術
茶目の上方の白目の部分に2ミリ〜3ミリ程度の弁をつくり、さらにその下にある強膜の一部をめくります。そこからシュレム管の中に細い針金状の器具を左右に入れて、管の前方にある詰まった網の目状の組織を切開します。
はがした強膜をかぶせて縫いつけ、結膜を元に戻します。線維柱帯の目詰まりがとれ、房水が眼球の外に出ていきます。
手術後、目の中に血液が逆流し出血が起こりますが、数日で吸収されます。
目の中に出血が残っていると、数日間見にくい状態が続きますが、この場合は仰向けに寝るのではなく、なるべく起きた状態で安静にしましょう。
線維柱帯切除術
結膜を切開し、その下の強膜を半分の薄さになるようにはがします。残した強膜と、虹彩に穴を開けます。
はがした強膜をかぶせて縫いつけ、結膜を元に戻します。房水が強膜と結膜の間に排出されるようになり、眼圧が下がります。
■結膜のふくらみがうまくできない場合
縫合した糸を切ったり眼球をマッサージして強制的に水を押し出します。
■結膜がふくらみ過ぎたり流れが良くなり過ぎる場合
プラスチックの蓋をかぶせたり、作成した弁の部分を圧迫したりします。
繊維柱帯切除術は、他の手術よりも手術後の経過が重要で、術後の安静をきちんと守ってもらうことが大切です。