眼科JOURNALトップ > American Journal of Ophthalmology > コンタクトレンズ装用による重篤な輪部幹細胞欠損:臨床的特徴

American Journal of Ophthalmology

2013
155巻

コンタクトレンズ装用による重篤な輪部幹細胞欠損:臨床的特徴

American Journal of Ophthalmology 155巻(3号)2013

Severe limbal stem cell deficiency from contact lens wear: patient clinical features
Clara C. Chan et al (University of Cincinnati, Ohio, USA)
Am J Ophthalmol 155(3): 544-549, 2013
・12名18眼(平均年齢42才)8名(67%)は女性。平均装用期間は14.1年。6名(50%)は両眼。全例S.CLを使用。視力は平均20/78まで低下していた。15眼(83%)が羞明、痛み又はその両者を自覚。全眼で保存療法は奏功せず、14眼(78%)で免疫抑制剤使用のもと輪部幹細胞移植を施行した。(生体組織片4眼、死体組織片10眼)移植後平均26.4ヶ月で、86%(12/14眼)で症状が消退し、視力は20/30以上と改善し、炎症も無く角膜上皮も回復した。
・角膜輪部幹細胞は角膜上皮の維持のために必要で、結膜上皮が角膜表層に侵入するのを防ぐ。欠損した場合の症状としては、継続する上皮欠損、角膜瘢痕、慢性炎症、視力障害、慢性的な疼痛、羞明、角膜移植の不成功など。
・CL装用により、重篤な輪部幹細胞欠損がおこりうる。女性、ソフトコンタクトレンズ、10時間以上の長時間装用が危険因子。保存療法では改善せず、若く健康な患者であれば、免疫抑制剤を使用のもと輪部幹細胞移植が可能である。(YM)

過去のアーカイブ