Argon laser photocoagulation of superficial conjunctival nevus: results of a 3-year study
Kyung-Hoon Shin et al (Myongji Hospital, Korea)
Am J Ophthalmol 155(5): 823-828, 2013
・結膜母斑は表層母斑と深層血管性母斑に分類され、前者は平坦で褐色で周囲血管とは関連無く、嚢胞は含まない。後者は隆起しており、嚢胞を含む。栄養血管があり、結膜由来である。結膜母斑の除去は常に必要でないが、大きいとか場所によっては整容的に除去したい。除去は外科的かアルゴンレーザーによる。外科的切除では組織の欠損や血管新生が起こりうるため大きい表層の色素母斑には薦められない。
・レーザー治療の対象は①結膜表層母斑 ②強膜との癒着無し ③前5年間大きさ、色調に変化無し(悪性の除外) ④栄養血管なし ⑤母斑内に嚢胞なし ⑥角膜にかからない ⑦球結膜に存在
・2006年3月から2009年2月までに結膜表層母斑に対し、アルゴンレーザー光凝固を施行した230名。
レーザー光凝固手技:アルゴングリーンレーザー(波長514nm)、200㎛:0.1秒、300から340mW。術後綿棒で拭き取れば結膜組織より容易に除去できた。術後1週間はレボフロキサシン、0.1%フルオロメソロンを1日4回点眼。4×4㎜以内のものは1回で、それ以上の大きさのものは2週間の間隔をあけて2回以上施行した。1回で完全除去した症例は212眼(81%)。スポット総数は平均107.83。感染、角膜損傷等明瞭な合併症は無かった。
・結論として、アルゴンレーザー光凝固は良性の結膜表層色素沈着に対し安全で有効な治療である。外科的治療が困難な大きい結膜母斑に対しても有用である。(YM)