Evaluating the Accuracy of the Visual Field Index for the Humphrey Visual Field Analyzer in Patients with Mild to Moderate Glaucoma
Renee Talbot et al (Australia)
Am J Ophthalmol 156(6):1272-1276, 2013
・834のカルテのうち、MD-20dB以上、連続11年以上毎年SITA30-2または24-2を行った患者をレビュー 42名61眼を対象とした
・初期の5年間をベースラインとした予測を、後半5年間の実測値と比較した。
・固視不良≧20%、FP≧15%、FN≧33%は信頼できない検査として除外 22眼
・VFIの計算式は非公開のため、1mm=1%となるようにヒストグラムを拡大して2回測定した。
・信頼できない検査の影響を見るため、除外したデータを再度含めて、信頼できる検査結果のみ(61眼)のデータと比較した
・レーザー線維柱帯形成術<LTP>(ALTorSLT)、レクトミーを行った患者も調査した
・病型はOHT 8人、 CACG 6人、 Secondary OAG 5人、NTG 1人、他POAG
・全体でみると予測と実測の差は1.37%予測が悪かった(Overestimated)
・信頼できない検査を入れた計算結果では0.09%違うのみであった。P=0.71
・14例はLTPを10例はレクトミーを受け、4例はどちらも受けていた。この場合予測よりも実測の方が良いことが予想されるが、LTPを受けた群と受けていない群での予測の正確性の平均誤差は0.12%で差がなかった。手術治療を受けた群と受けていない群での差は4.52%と有意差があった(手術群の方が予測値よりも高いVFIであった)
・VFIが90%以上の群では90%より低い群と比べて、予測が高精度であった
(range 9.7% vs 34.3%)
・VFI:PSDの値をもとに中心視野に加重して計算を出しているが、MDが-20dBより悪いものについてはMDの値を採用している。 今回は対象が-20dB以上なので、PSDのみ
・進行した緑内障では予測精度が悪い
・検査の信頼度が低くても予測の値に影響がなかったが、今回は1患者1回のみ(多くても前半5年1回と後半5年の1回の合計2回のみ)であった。
・緑内障における視野障害進行はVFIモデルのように直線回帰できるものではなく、もっと複雑な回帰曲線があるかもしれないが、現在のところ完全な予測方法はなく、患者のadherenceや通院状況、検査の出来など複雑な要因があり、標準化できるものではない。しかしVFIが90%以上の患者においては、現状の把握と経年変化を把握するのに有用なツールと考えられる。(MM)