Accomodative Tone in Children Under General Anesthesia
Salchow DJ, et al.(Germany)
Am J Ophthalmol 156(5): 1034–1039, 2013
【目的】小児の調節緊張度に対する全身麻酔の影響を明らかにする
【対象と方法】全身麻酔を受ける予定の小児41例(0.8-11歳、平均3.7歳)。事前に外来で調節麻痺剤(シクロペントレート&トロピカミド)の点眼下に線状検影器を用いて調節麻痺下の屈折度を測定。その6か月以内に全身麻酔下で調節麻痺剤の点眼をしないで同様に屈折度を測定。
【結果】全身麻酔下でのレチノスコピーの屈折度は、調節麻酔剤の点眼下の屈折度よりも球面度数・等価球面度数ともに近視寄りの値を示した(ともにP<0.0001)。
乱視度数とその軸は良い整合性が得られた。
全身麻酔下と調節麻痺剤点眼下での差異の平均;球面度数で-0.98D(95%CI: -3.08D~+1.10D)、乱視度数で0.08D(95%CI: -0.67D~+0.82D)、等価球面度数で-0.94D(95%CI: -3.01D~+1.13D)
両測定値の差が1D以内に収まる割合;球面度数で25例(61%)、乱視度数はすべて、等価球面度数で28例(68.3%)であった。
【結論】全身麻酔で小児の調節緊張は減少するが、調節麻痺剤点眼下のそれと比べるとまだ有意差が残る。正確な屈折度数の測定が必要な場合は、全身麻酔下でも調節麻痺剤の併用が必要である。(MK)