Relationship between preferred sleeping position and asymmetric visual field loss in opne-angle glaucoma patients
KYOUNG NAM KIM et al (Korea)
Am J Ophthalmol 157(3): 739-745, 2014
方法:両眼の正常眼圧又は高眼圧緑内障患者692名。各々に睡眼時に好む姿勢を聞き、両眼でMD(mean deviation)2dB以上差がある場合を非対称視野欠損とした。非対称視野欠損の患者の中で悪い目を下にする姿勢と良い目を下にする姿勢の数を比較した。
結果:全患者中NTG309名(60.6%)と高眼圧121名(66.5%)に非対称視野を認めた。NTG309名中100名(32.4%)は側臥位を好んだ。この中で66名(66%)は悪い目の方を下にしていた(P=0.001)。高眼圧121名中32名(26.4%)は側臥位を好み、そのうち23名(71.9%)が悪い目の方を下にしていた(P=0.013)。
結論:緑内障患者では睡眼時の姿勢は視野欠損に影響しうる。
座位や仰臥位に比べて側臥位では眼圧が上がり、特に下方にある眼の眼圧が高くなる。人は1日の1/3から1/4は眠っているため、側臥位は緑内障の進行に影響する。NTGでは良い目と悪い目の眼圧に差が無かったが、高眼圧緑内障では悪い目は明らかに良い目よりも眼圧が高かった。姿勢が眼圧に影響を及ぼす理由は、強膜上の静脈圧が上昇することが原因でそのため眼動脈圧も上昇する。もう一つの可能性は脈絡膜血管の容量増加によるぶどう膜強膜血流量の割合の変化と考えられる。(YM)