Retinal Displacement Toward Optic Disc After Internal Limiting Membrane Peeling for Idiopathic Macular Hole
Masahiro Ishida, Yutaka Imamura, et.al. (帝京大)
Am J Ophthalmol 157(5) : 971-977, 2014
【目的】ILM剥離・ガスタンポナーデを併用した黄斑円孔(MH)手術の後に網膜が変位するか、また円孔径と術後網膜変位との関連を調査
【対象と方法】MHに対してILM剥離・ガスタンポナーデを併用した硝子体手術を施行した連続症例をレトロスペクティブに解析。SD-OCTの眼底自発蛍光画像(FAF)または近赤外線画像を用いて、視神経乳頭の耳側縁と網膜血管の交叉部(中心窩より耳側・鼻側の二か所)との距離を計測。術前 (A)、手術2週間後、1・3・6・12か月後 (B) に測定。SD-OCTでMHの底部の直径および最小径を計測。
*ILM剥離は2-3乳頭径、1例(ICG染色)のぞき全例でILM染色せず施行。
【結果】21例21眼、stage2・3・4のMHがそれぞれ10・9・3眼。
手術2週間後における網膜血管の変位;耳側は260.8±145.8μm乳頭側に移動、鼻側は91.1±89.7μm乳頭側に移動 (p<0.001)。
術後2週間での耳側血管の変位比 (A – B/A)はMH底部の径と有意に相関していた(r=-0.476, p=0.033)
【結論】MH手術後は鼻側より耳側の血管がより多く移動する。これは耳側の網膜がよりフレキシブルでありMHが閉鎖する際に視神経乳頭の方向に牽引される事を示唆する。(MK)