Prophylactic use of bevacizumab to avoid anterior segment neovascularization following proton therapy for uveal melanoma
Irmela Mantel et al .(University of Lausanne, Jules-Gonin eye hospital, Fondation Asile des Aveugles, Switzerland)
Am J Ophthalmol 158(4): 693-701, 2014
・虚血性網膜剥離があり陽子線治療を受けたぶどう膜メラノーマの患者のうち予防的IVBを施行した24名を施行しない44名と比較した。
・IVBは6ヵ月間は2ヵ月毎に、その後は3ヵ月毎に施行した。
・広範囲血管造影にて、網膜の虚血、血管新生、網膜復位と虚血網膜へのレーザー光凝固の時期を比較した。
・加療前の状態は差が無かったが、IVB群では腫瘍が厚く、剥離が広かった。
・しかしながら、予防的IVBは明らかに虹彩ルベオーシスを36%から4%(P=0.02)に減少させ、無灌流区域へのレーザー光凝固までの期間を短縮させた。
・ぶどう膜メラノーマに対する陽子線治療は局在腫瘍の治療に非常に高率に有効である(5年後94~99%)が、放射線照射眼はその合併症のため二次的に眼球摘出に至る場合もある。
・危険を増す要素は腫瘍の高さ、毛様体を含むこと、視神経又は中心窩に近接している場合。新生血管緑内障は最も眼球摘出となりやすく、発生率は7%から47%と報告がある。
・虚血の原因は腫瘍や放射線由来の炎症、漿液性網膜剥離や網膜腫瘍の侵入による網膜の虚血と考えられる。以前、新生血管緑内障にバルベルトインプラントが有効と報告したが、理想は血管新生しないことであり、抗VEGF薬の硝子体注射が有効と思われる。(YM)