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American Journal of Ophthalmology

2015
159巻

ドライアイ患者での角膜内皮細胞密度の減少

American Journal of Ophthalmology 159巻(6号)2015

Reduced Corneal Endothelial Cell Density in Patients With Dry Eye Disease
AHMAD KHEIRKHAH, et.al. (Boston, U.S.)
Am J Ophthalmol  159 (6): 1022-1026,2015
目的:ドライアイ患者と年齢を合わせたコントロールグループでの角膜内皮細胞密度を比較した。
対象と方法:重度ドライアイグループ 45人90眼(平均年齢53.7±9.8歳)
Ocular Surface Disease Index (OSDI) 22以上(平均61.5 ± 20.8)、
National Eye Institute (NEI) grading scaleでフルオレセイン着色スコア
4以上の人(平均7.0 ± 3.4)、TBUT 3.2 ± 2.8秒、シルマーテスト6.7 ± 6.8 mm
コントロールグループ  15人30眼(平均年齢50.7±9.8歳)
結果:生体レーザー共焦点顕微鏡
角膜内皮細胞密度:ドライアイグループ 2595.8 ± 356.1 cells/mm2
   コントロールグループ 2812.7 ± 395.2 cells/mm(P = 0.046)

神経密度:ドライアイグループ:  17.1 ± 6.9 mm/mm2
   コントロールグループ 24.7 ± 4.4 mm/ mm2  (P < .001)
樹状細胞:ドライアイグループ  111. 7 ±13 7.3  mm/mm2

   コントロールグループ 32.0 ± 244 mm/ mm2  (P = .002)
ドライアイで角膜内皮細胞密度減少を認めた。さらにドライアイの重症度と角膜内皮細胞密度減少に関連を認めた。結論: 角膜内皮細胞密度が減る原因として考えられるのは、内皮細胞の機能と耐久性を管理している角膜神経密度が減少しているためと思われる。これはドライアイで認められる障害が上皮のみではない事を示す。
炎症が内皮細胞障害を起こす事が知られていが、この研究では炎症マーカーは評価していない。代わりに免疫の活性化のために不可欠な免疫樹状細胞密度を測定し、上記のようにドライアイグループで際立って高かった。
ドライアイと内皮細胞密度に関連があったとすると、原因不明で内皮細胞密度が低い場合、ドライアイの影響を受けている可能性がある。ドライアイの治療で内皮細胞密度減少を止める事が出来るかもしれない。(CH)

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