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American Journal of Ophthalmology

2016
163巻

白内障手術併用DMEK後のCME予防としてのステロイド点眼

American Journal of Ophthalmology 163巻(3号)2016

Intensified Topical Steroids as Prophylaxis for Macular Edema After Posterior Lamellar Keratoplasty Combined With Cataract Surgery
ROBERT HOERSTER, et al, (Germany)
Am J Ophthalmol 2016;163(3): 174-179.
目的:白内障手術併用DMEK後に起こるCME発生率と、その治療としてのステロイド点眼の効果を検討する。
対象と方法:2012年12月3日から2015年1月9日までに白内障手術併用DMEKを施行した150眼(フックス角膜変性症と偽落屑症候群)
グループ1(2014年4月1日以前の症例 75 眼)
  1%プレドニゾロン点眼1日5回 術後1ヶ月間、その後1ヶ月毎に1回ずつ減らしていく。
グループ2(2014年4月1日以後の症例75 眼)
  術後1週間は1%プレドニゾロン点眼1時間毎、その後1日5回 術後1ヶ月間、その後1ヶ月毎1回ずつ減らしていく。
結果:術後3ヶ月以内でCMEを認めた症例は、グループ1で9眼、グループ2で0眼だった。
空気再注入は、グループ1 50眼(67%)、グループ2 39眼(52%)だった。
両グループ共、グラフトの偏位はなかった。空気再注入とCMEは関連なかった。
視力 グループ1 0.22±0.22 logMAR  グループ2 0.23±0.16 logMARで有意差はなかった。
グループ2の2眼が術後6週目と5ヶ月目に眼圧が25mmHg以上になったので、1 %リメキソロン点眼に変更した。
CMEの治療は、プレドニゾロン点眼1日8回 1週間、その後1日5回点眼とした。
1眼のみアセタゾラミド内服治療を2週間行った。
1眼でステロイド硝子体内注射を行ったがCMEはしつこく残り、12ヶ月後でも残っている。
結論:白内障手術併用DMEK後最初の1週間だけ1時間毎にステロイド点眼するという単純な処置が、術後CMEのリスクを減らすことができる。(CH)

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