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American Journal of Ophthalmology

2016
169巻

合併症のない白内障手術後でもIOLにバイオフィルム

American Journal of Ophthalmology 169巻(169号)2016

Analysis of Intraocular Lens Biofilms and Fluids After Long-Term Uncomplicated Cataract Surgery.
Mazoteras P, Quiles MG, Martins Bispo PJ, Höfling-Lima AL, Pignatari AC, Casaroli-Marano RP. (Spain)
Am J Ophthalmol. 2016 ;169:46-57. 
【目的】
・長期間合併症がみられなかったIOL眼の眼内環境および水晶体嚢・IOL表面を調査
【対象と方法】
・角膜移植のドナー眼、後房IOL挿入後に炎症を含む合併症の記録のない69眼
・前房水・硝子体液を従来の細菌培養および分子生物学的検査で菌の存在を調査
・走査電子顕微鏡でIOL表面のバイオフィルム形成を、透過型電子顕微鏡でcapsule残存物質中のバイオフィルム形成を検索
【結果】
・従来の細菌培養検査では眼内液中に細菌は検出されず
・13眼(18.8%)でIOL光学面にバイオフィルム形成がみられた
・うち3眼の眼内液PCRで16S rDNA陽性
【結論】
・合併症のない正常眼でも、眼内液や臨床所見が陰性にかかわらずIOL表面にバイオフィルムが形成されている可能性がある(MK)

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