Risk of Glaucoma Surgery After Corneal Transplant Surgery in Medicare Patients
CHENGJIE ZHENG et al. (CA USA)
Am J Ophthalmol 2018(8);192:104-112.
目的:角膜移植手術後の緑内障手術の割合を決定する。
対象と方法:2010年から2013年に角膜移植を施行した3098眼。全層角膜移植(PK)1012眼、角膜内皮移植術(EK)1919眼、表層角膜移植(ALK)46眼、人工角膜移植術(KPro)32眼、PK + EK 89眼。
角膜移植の前に緑内障と診断されていたのは532眼。
結果:角膜移植手術後の緑内障手術の割合は、手術方法別で6.1%から9.4%の範囲であり、有意差はなかった(P =0 .93)。
PK7.7%、EK7.1%、ALK8.7%、KPro 9.4%、PK + EK 6.1% 。
患者の年齢別差はなかった。65-69歳群で8.2%、70-74歳群で7.5%、75-79歳群で7.4%、80-84歳で7.3% 85-89歳群では5.3%、90歳以上群では8.1%(P =0.63)。地域別では、東部地域の患者の8.1%、西部は7.0%、中西部は8.1%、南部は4.9%であった。南部の割合は他の地域よりも多少低いが、全体的な差は統計的に有意ではなかった(P = 0.072)。
性別による差が認められた。女性患者の6.6%に対し男性患者の8.6%。(P = 0.045)。さらに、黒人患者は白人患者と比較してそれぞれ11.4%、6.5%(P =0.030)と有意差を認めた。
角膜移植の前に緑内障と診断されていたのは532眼で、その内10.0 %で緑内障手術が必要になったが、緑内障既往無しでは5.3%で有意差を認めた。(P < 0.01)
特に緑内障既往ありPK 12.4%、緑内障既往無しPK 2.8%。(P < 0.01)。
結論:角膜移植の術式を変更することにより、リスクが高まることを示唆している文献があるにもかかわらず、様々なタイプの角膜移植で有意差は認められなかった。しかし、緑内障既往患者は、特にPK群で顕著に緑内障手術のリスクが高かった。これらの患者は移植後、長期間注意が必要である。(CH)