Comparing Outcomes of Phacoemulsification With Femtosecond Laser-Assisted Cataract Surgery in Patients With Fuchs Endothelial Dystrophy
WEI WEI DAYNA YONG, et al. (Singapore)
Am J Ophthalmol 2018(12);196:173-180.
目的:フックス角膜内皮ジストロフィー(FED)患者の白内障手術において、標準的な水晶体超音波乳化吸引術(Phaco)とフェムトセカンドレーザー(FLACS)を使用した手術結果を比較した。
対象と方法:2013年4月から2016年12月の間に、白内障手術を受けたFED 140眼。Phaco群 72眼、FLACS 群68眼。
角膜厚、内皮細胞密度(ECD)、および視力を比較した。
両群間で、年齢、性別、人種、および白内障の程度に有意差はなかった。
結果:Phaco群の術前中央ECD(2260.0 cells/mm2)とFLACS群(1960.5 cells/mm2)との間には有意差があった(P=0.004)。これは、より重症のFED患者はFLACSを受けることを選択する可能性が高かったためと思われる。
術後、両群間の中央ECDに有意差はなかった(P=0.790)。Phaco群1834.0 cells/mm2、FLACS群1768.5 cells/mm2。
ECDの平均損失率は、Phaco群15.3±17.5%、FLACS群4.4±25.0%(P = 0.006)。
Phaco群の平均ECD喪失は軽度白内障群では10.7±15.4%、中等度〜高度白内障群では19.5±18.0%(P = 0.045)だった。 FLACS群の軽度白内障群0.9±22.5%、中等度〜高度白内障群において8.2±26.3%だった(P =0.219)。中等度〜高度白内障では有意差を認めた(P = 0.043)。
術前中央角膜厚はPhaco群0.524 mm、FLACS群0.531 mmで、有意差はなかった(P =0 .608)。
術後中央角膜厚は、Phaco群0.553mm、FLACS群0.563mmであった(P =0.463)。術後角膜厚中央値の増加は、Phaco群0.019 mm(3.7%)、FLACS群(4.7%)で0.024 mm(4.7%)(P = 0.207)。
術前平均BCVAは、Phaco群およびFLACS群でそれぞれ0.358±0.1771og MARおよび0.351±0.244 1ogMARであった(P = 0.292)。術後3ヶ月で、平均BCVAは、Phaco群0.125±0.1461ogMAR、FLACS群0.119±0.1211ogMAR(P = 0.787)。
結論:FLACSは、FED患者における術後の内皮細胞損失においてPhacoより優れていると思われる。特に中等度から高度の白内障患者において角膜代謝不全のリスクが低いことを意味する。(CH)