Tear Inflammatory Cytokines Analysis and Clinical Correlations in Diabetes and Nondiabetes With Dry Eye
RONGJUN LIU, et al. (China)
Am J Ophthalmol 2019(4);200: 10-15.
目的:糖尿病におけるドライアイの病因は主に、涙腺の微小血管の損傷および角膜知覚の障害による涙の刺激性分泌減少であると考えられている。
眼球表面の特徴と涙の炎症性サイトカインのレベルを評価することによって、糖尿病におけるドライアイ(DE)の理解を深めること。
対象と方法:DM(+)DE(+)群 32人、DM(+)DE(-)群 24人、DM(-)DE(+)群 29人、DM(-)DE(-)の対照群 29人。(表1)
眼表面疾患指数(OSDI)、涙液層破壊時間(BUT)、シルマー試験I法、角膜フルオレセイン染色(CFS)および角膜感受性を含む眼表面特性を評価した。
さらに涙液中のEGF、IL-17A、IL-Iβ、およびTNF-αの分析、それらの臨床相関関係を調査した。
結果:DM(-)DE(+)群のOSDIスコアが他の3群のそれよりも有意に高いことを示した(それぞれP = 0.001、P <.0001、P <.0001)。また、DM(+)DE(+)群のOSDIスコアは正常群よりも高かった(P = 0.033)
BUT値は対照群と比較して他の3群は 有意に低かった(それぞれP <.0001、P = .019、およびP <.0001)。
DM(+)DE(+)群およびDM(-)DE(+)群のCFSスコアは他の2群より有意に高かった(全てP <0.0001)。
DM(+)DE(+)群およびDM(-)DE(+)群は、対照群と比較して低いシルマー試験I法スコアを示した(P = 0.001およびP = 0.01)。また、より低い角膜感受性を示した(P = 0.007およびP = 0.042)。
涙液中のEGFレベルはDM(+)DE(+)群で有意に増加した。
DM(+)DE(+)群では、EGFのレベルはCFSスコアと正の相関があり、シルマー試験I法とEGFに負の相関があった。
DM(-)DE(+)群では、涙液中のIL-1βおよびTNF-αのレベルは、CFSスコアと正の相関が見られた。
結論:DM(+)DE(+)群およびDM(-)DE(+)群は対照群と比較して角膜感受性が有意に減少していた。また、涙液中のEGFのレベルは、DM(+)DE(+)群における眼球表面パラメータと相関していた。これは、糖尿病におけるDEの診断のバイオマーカーとなる可能性がある。(CH)