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American Journal of Ophthalmology

2023
255巻

網膜馬蹄形裂孔の検出における超広角走査型レーザー検眼鏡と強膜圧迫を併用した眼底検査の感度

American Journal of Ophthalmology 255巻(11号)2023

The Sensitivity of Ultra-Widefield Fundus Photography Versus Scleral Depressed Examination for Detection of Retinal Horseshoe Tears
ANDREW C. LIN,et al. (California, USA)
Am J Ophthalmol 2023(11);255: 155– 160.
・目的:超広角走査型レーザー検眼鏡(UWF)は、強膜圧迫を併用した双眼倒像検眼鏡下眼底検査(SDE)と併用して網膜周辺疾患の評価に使用されている。
・眼科の遠隔診療ではこの検査への依存度が高まっているため、UWF単独で実施した場合の網膜周辺部の疾患の検出に対する有効性を評価することは重要である。
・今回、網膜馬蹄形裂孔(HST)の検出におけるUWF画像の感度を評価する。
・対象と方法:2020年1月1日から2022年12月31日までにSDEでHSTと診断され、レーザー治療を受けた患者を対象とした。
・123人(男性64人(52.0%)、女性59人(47.9%)、平均年齢57.3±13.1歳)、右眼69例(51.1%)、左眼66例(48.9%)。HSTに対するUWF画像診断を網膜専門医によるSDEと比較した。
・結果:SDEで確認されたHSTのうちUWF確認されたのは左右合わせて69 例(51.1%) だった。
・上方、下方、鼻側、耳惻でそれぞれ7/41例(17.1%)、8/25例(32.0%)、7/14例(50.0%)、47/55例(85.5%)だった。
・結論:HSTの半数近くがUWF画像では見逃された。特に上方での感度が低いことを示している。
・主な原因として、熟練した撮影者の確保、アーチファクト(睫毛、眼瞼縁、フェイスマスク、まぶしさ)、真の色調ではないことが考えられる。
・ HSTの治療の緊急性とRDによる重大な視覚障害の可能性を考慮すると、PVDまたはHSTを示す症状の評価において眼底検査の代替として UWF 画像に依存すべきではない。(CH)

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