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American Journal of Ophthalmology

2024
259巻

米国眼科の指導的立場にいる女性の割合

American Journal of Ophthalmology 259巻(3号)2024

Vought R, Vought V, Lin M, et al. Gender representation among ophthalmology fellowship directors in 2022. Am J Ophthalmol 2024; 259: 166-171.
・米国では医学生における女性の割合が2019年には50.5%と初めて過半数に達したが、学問や教育の分野での指導的立場にいる女性は少なく、とくに眼科を含む外科系診療科では2016年の時点で約27%にとどまっている。
・眼科での実情を詳しく知るために、2022年での「Fellowship Director」の女性の割合を調べた。(ちなみに、米国での眼科医における女性の割合については、日本での日眼や日眼医に該当する高い組織率のある団体がないため、眼科医総数自体が不明のようである:平野私見)
・Fellowship Directorはわが国での卒後教育体系ではあまり理解できない地位だが、臨床指導体制では大学の主任教授的な、かなり偉い人。学位とMDがあって、今回の研究ではその肩書は、わが国言う講師(assistant professor)が19%、准教授(associate professor)が30%、教授(professor)が51%である。
・眼科でFellowship Directorの任に就いている女性は全体の29%。Fellowship Directorたちの眼科研修を終えてからの平均期間は男性の24年に対して女性は17年であった。
・Program typeおよび国内の地域についてはとくにFellowship Directorの男女比に差はなかった。
・専門分野で言えば、小児眼科と斜視では女性の比率が高く、緑内障、神経眼科、網膜硝子体手術では小さかった。眼科手術の分野では、眼形成と網膜硝子体手術のFellowship Directorの女性比率が低く、角膜・外眼部・屈折矯正手術の分野では比較的高い比率であった。(KH)

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