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American Journal of Ophthalmology

2024
261巻

中心性網脈絡膜症の強膜厚について

American Journal of Ophthalmology 261巻(5号)2024

Scleral thickness in simple versus complex central serous chorioretinopathy.
Imanaga N et al(琉球大)
Amer J Ophthalmol 261(5): 103-111, 2024
・217例217眼の中心性網脈絡膜症CSCを単純CSC167眼と複雑CSC50眼に分けて、強膜厚を測定した。
・強膜厚は前眼部OCTを利用し、4直筋直下の4か所で、強膜岬から6mmの強膜厚を測定した。
・単純CSCと複雑CSCは、自発蛍光とOCTでのRPE変化で分類した。
・複雑CSCは単純CSCよりも、年齢が有意に高く(p=0.011)、男性に多く(p=0.01)、両眼に多く(P<0.001)、視力が悪く(P<0.001)、中心窩脈絡膜厚が厚く(P=0.025)、下液の被包化の頻度が高く(p<0.001)、毛様体脈絡膜の滲出が多かった(p<0.001)。
・CSC眼では正常眼よりも強膜厚が厚いことは以前に報告しているが(Ophthalmol Retina 5:285, 2021)、複雑CSCの強膜厚は上、下、耳、鼻側の全ての位置で単純CSCよりも厚かった(全て p<0.001)。
・複雑CSCは多変量解析では、単純CSCよりも高齢(OR=1.054 95%CI=1.013-1.097 p<0.001)、男性(OR=10.445: 1.151-94.778 p<0.001)、両眼(OR=7.641: 3.316-17.607 p<0.001)、4方向の平均強膜厚(OR=1.022: 1.012-1.032 p<0.001)であった。
・CSCでは強膜が厚く、殊にcomplex CSCでは更に厚い事から、渦静脈が強膜を貫通する部位での絞扼が渦静脈うっ滞の主因と推測される(TY)

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