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American Journal of Ophthalmology

2023
256巻

原発閉塞隅角疑い(PACS)から原発閉塞隅角(PAC)への進行予測

American Journal of Ophthalmology 256巻(12号)2023

Role of Static and Dynamic Ocular Biometrics Measured in the Dark and Light as Risk Factors for Angle Closure Progression.
Cho A et al
Am J Ophthalmol. 256(12) :27-34., 2023

目的:暗所と明所で測定された眼の静的および動的バイオメトリックパラメータが、原発閉塞隅角疑い(PACS)から原発閉塞隅角(PAC)への進行を予測する役割を評価した。
方法:未治療の対照眼からの前向きランダム化比較試験データを用いたレトロスペクティブコホート研究。
Zhongshan Angle Closure Prevention Trial(中山隅角閉塞予防試験)の被験者が前眼部光干渉断層撮影(AS-OCT)に施行、静的バイオメトリックパラメータおよび動的変化パラメータが測定され、原発閉塞隅角症(PACD)進行の危険因子を評価するためにCox比例ハザード回帰モデルを使用した。
結果:861人の参加者が分析され、そのうち36人が進行した。単変量解析では、明るい場所と暗い場所でのTISA500測定値が進行と関連していたが、動的変化パラメータは関連性が見られなかった。
主要な多変量モデルでは、高齢や眼圧の上昇、明るい場所でのTISA500の減少が進行リスクの増加と有意に関連していた。また、暗い場所でのTISA500は明るい場所での測定値と同様の有意性を持っていた。
特に、明るい場所でのTISA500測定値の最低でも25%位の眼は、暗い場所での測定値と比較しても進行リスクの予測においてより高い値を示した。
結論:明るい場所で測定された静的パラメータは、暗い場所で測定されたものと同程度、またはそれ以上に閉塞隅角の進行を予測する能力があることが示された。
さらに、明るい場所と暗い場所での眼のバイオメトリックパラメーターは、閉塞隅角進行に関する患者のリスク分類に有用な情報を提供する可能性がある。
・AOD500:角膜後面の強膜岬から500μmの点から虹彩までの距離(mm)
・TISA500:AOD500、角膜後面、強膜岬からAODと平行に引いた線、虹彩表面の4つの線で囲んだ面積(mm2)
・ACA:角膜後面と虹彩表面の角度(deg)(KK)

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