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American Journal of Ophthalmology

2023
255巻

全身性降圧薬と眼圧、緑内障との関連

American Journal of Ophthalmology 255巻(11号)2023

A Systematic Review and Meta-analysis of Systemic Antihypertensive Medications With Intraocular Pressure and Glaucoma.
Leung G, et al
Am J Ophthalmol. 255(11):7-17. 2023

目的:全身性降圧薬と眼圧(IOP)、および緑内障との関連性を調査した文献を解析する。
降圧薬には、β遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体遮断薬、利尿薬が含まれる。
方法:研究のデザインは系統的レビューとメタ分析で、2022年12月5日までに関連する研究をデータベースで検索し、全身性降圧薬と緑内障との関連性、または緑内障や眼圧上昇のない患者における全身性降圧薬とIOPとの関連性を調べた研究が対象となった。
結果:合計11件の研究がレビューに含まれ、10件がメタ分析に組み込まれた。
IOPに関する3件の研究は横断的であり、一方で緑内障に関する8件は主に縦断的研究だった。
メタ分析の結果、β遮断薬は緑内障のオッズを低下さ、IOPも低下することが確認された。
一方、カルシウムチャネル遮断薬は緑内障のオッズを上昇させるが、IOPには関連しなかった。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体遮断薬、利尿薬に関しては、緑内障やIOPとの一貫した関連は認められなかった。
結論:全身性降圧薬は緑内障およびIOPに対して不均一な影響を及ぼすことが示された。
は、これらの薬剤がIOP上昇を隠す可能性や、緑内障のリスクに対してプラスまたはマイナスの影響を与えることに注意を払う必要がある。(KK)

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