Optical coherence tomography enhanced depth imaging of choroidal tumors.
Torres VLL et al(OH USA)
Amer J Ophthalmol 151(4): 586-93, 2011
・23例23眼の脈絡膜腫瘍について、眼底写真、超音波検査、EDI-OCTを行った。
・無色素性脈絡膜母斑4例、色素性脈絡膜母斑9例、脈絡膜メラノーマ3例、境界明瞭な脈絡膜血管腫3例、脈絡膜転移腫瘍4例である。
・全例で、EDI-OCTでは腫瘍の境界を正常脈絡膜から明瞭に描出できた。
・脈絡膜腫瘍の直径、厚みを計測できたものは10例で、いずれも直径<9.0mm、厚み<1.0mmのものであり、超音波よりも感度が良かった。
Relationship between sleep-disordered breathing and iris and/or angle neovascularization in proliferative diabetic retinopathy cases.
Shiba T et al(東邦大)
Amer J Ophthalmol 151(4): 604-9, 2011
・PDR患者で手術を受けた151名を、虹彩あるいは隅角に新生血管のあるNV群37例、non-NV群114例に分けて調査。
・Pulse oximetryで夜間の平均SpO2、4%酸素不飽和指数(4% ODI times/hour)、最低のSpO2、SpO2<90%となった積算時間率を計算した。
・4% ODIが1時間で5回以上の場合、睡眠障害呼吸と診断した。
・NV群の62%、non-NV群の46%、合計50%で睡眠障害呼吸があった。
・平均SpO2(96.9 vs 97.5)、最低SpO2(79.9 vs 83.1)は両群間に差はなかったが、4%ODI(12.3 vs 6.6)、CT90%(3.8 vs 1.7)では、有意にNV群で高かった(p=0.02)。
・論理回帰分析では、NV群の危険因子は、インスリン治療(OR=3.01 95%CI=1.26-7.20 p=0.01)、4%ODI (OR=1.09 95%CI=1.01-1.16 p=0.02)であった。
Ophthalmodynamometric pressure in eyes with proliferative diabetic retinopathy measured during pars plana vitrectomy.
Sugiura Y et al(筑波大)
Amer J Ophthalmol 151(4): 624-9, 2011
・75例のPDRの硝子体手術中に眼動脈圧(ophthalmodynamometric pressure:ODP)を測定した。
・Core vitrectomy後に、vented-gas forced-infusion system(VGFI)を用いて眼内圧を徐々に上げ、中心動脈が拍動を始めた圧をODPとして、同時に収縮期圧、拡張期圧を測定した。
・ODPは63.6±11.5mmHg(range=15.5-84.8)であり、ODPは拡張期圧(75.8±9.7)と有意に相関(r=0.522 p<0.0001)していたが、収縮期圧(149.6±18.4)とは相関がなかった(p=0.303)。
・平均動脈圧(DBP+(SBP-DBP)/3と定義され、125.6±12.0)とも有意に相関(r=0.522 p<0.0001)。
・多変量回帰分析では、ODPは拡張期圧(p<0.0001)と正の関連があり、低いほど虹彩新生血管(p<0.0001)があり、低いほどPDRが重症(p=0.046)であった。
Survey of intravitreal injection techniques among retinal specialists in the United States.
Green-Simms AE et al(MN USA)
Amer J Ophthalmol 151(2): 329-32, 2011
・AAO会員で「網膜硝子体手術専門」と自称している医師にe-mailで20問のアンケート調査を行い、44%にあたる765名から返答を得た。
・硝子体注入を行う時、58%は手袋着用、92%は開瞼器使用しているが、88%でドレープを使用していない。
・99%以上は注入前にイソジン消毒をしていた。
・56%で輪部からの注入部位を計測しているが、83%で結膜移動をしていない。
・大まかな視力評価を行う(32%)など、72%で注入後の視神経灌流を常に評価。
・34%で注入前に、81%で注入後に抗生剤点眼を使用。
・46%で両眼同時注入を行っている。
・78%で30G針を使用しているが、ケナコルトの場合は57%で27G針を使用。
Reduction of anterior chamber contamination rate after cataract surgery by intraoperative surface irrigation with 0.25% povidone-iodine.
Shimada H et al(日大)
Amer J Ophthalmol 151(1): 11-7, 2011
・術中の0.25%イソジン液での術野の繰り返し灌流が前房内への細菌汚染を予防するかどうかを、還流液で術野を洗浄した202眼(A群)と、0.25%イソジン液で灌流した202眼(B群)で検討した。
・0.25%イソジン液は手術開始前後に2mlを30秒間、術野を浸し、術中は20秒ごとに0.5mlで灌流した。
・開瞼器を掛けた時の眼表面と、手術終了時の前房水を培養。
・イソジン液で灌流した内の4例では前房水のサンプルをヨウ素イオン濃度測定の為に手術開始時と終了時に採取。
・手術開始時の眼表面の細菌検出率は、A群5.5%、B群6.0%で有意差がなかったが、前房水では、A群5.0%、B群0%で、有意にB群で少なかった(p=0.0017)。
・前房水中のヨウ素イオン濃度は、A群では開始時、終了時ともに0.1μg/ml以下であったが、B群では開始時 7.5±0.7、終了時 3.5±0.7μg/mlであった。
・角膜内皮細胞密度はA群、B群で、術前は2614:2534、術後7日目は2463:2338で、有意差がなかった(p=0.40)。
・術中の継続的な0.25%イソジン液での術野の灌流は前房汚染を予防できる有効な手段である。
Retinal vessel diameter, retinal nerve fiber layer thickness, and intraocular pressure in Korean patients with normal-tension glaucoma.
Chang M et al(Korea)
Amer J Ophthalmol 151(1): 100-5, 2011
・NTG患者60例60眼で、網膜血管径、眼圧、神経線維層厚(RNFL厚)を測定し、45眼のコントロール眼と比較した。
・視神経乳頭周囲の0.5乳頭径以内と1乳頭径以内の網膜動脈径(CRAE)、静脈径(CRVE)を計測した。
・NTG:Ctrlで、眼圧は14.8±2.3:14.1±1.9(p=0.08)、RNFL厚は89.6±12.9:109.9±12.0μm(p<0.001)、CRAEは109.8±12.0:120.0±11.3μm(p<0.001)、CRVEは158.5±17.6:176.8±21.1μm(p<0.001)であった。
・多変量直線回帰分析ではNTGでは、RNFL厚とCRAEは正の相関(p=0.014)、RNFL厚と眼圧は負の相関(p=0.005)があったが、CtrlではRNFL厚とは何も相関が得られなかった。
・NTGでは、正常者よりも中心網膜血管は細いことが分かった。
・また、NTGでは眼圧とCRAEは有意にRNFL厚と関連していた。
・このことから、NTGでは、網膜血管が細い程、眼圧が高い程、RNFLが薄いことが分かった。
Enhanced depth imaging optical coherence tomography of the choroid in idiopathic macular hole: a cross-sectional prospective study.
Reibaldi M et al(Italy)
Amer J Ophthalmol 151(1): 112-7, 2011
・22例22眼の特発性黄斑円孔患者の黄斑部の脈絡膜厚を患眼と健眼、正常者22眼で調査した。
・EDI-OCTで、中心窩下、中心窩から1000μm、2000μm耳側、鼻側で脈絡膜厚を測定。
・円孔眼:健眼:正常眼での脈絡膜厚は、鼻側2mmでは、118±44:126±45:176±56、中心窩では、183±42:197±39:245±53、耳側2mmでは、166±42:174±42:223±40μmで、いずれも正常眼よりも円孔眼、円孔健眼で有意に薄かった(p<0.01)。
・中心窩下の脈絡膜厚と眼軸長は全群で負の相関があった。円孔眼 r=-0.53 p<0.01、健眼 r=-0.56 p<0.01、正常眼 r=-0.52 p=0.01。
・また、正常眼では脈絡膜厚と年齢との間にも負の相関があった r=-0.48 p=0.02。
Anterior segment Optical coherence tomography: A diagnostic instrument for conjunctivochalasis.
Gumus K et al(TX USA)
Amer J Ophthalmol 150(6): 798-806, 2010
・56歳から87歳の7名12眼の結膜弛緩症の断面積と涙液メニスカスを前眼部OCTで検索し、結膜焼灼術前と術後4週間目の変化を検討した。
・測定部位は鼻側、中央、耳側の3部位とした。
・術後に涙液メニスカスの断面積は3部位ともに増加はしていなかったが(p=0.177)、結膜弛緩の断面積は3部位とも有意に減少していた(p<0.001)。
・平均結膜断面積は術前 0.247±0.24mm2から0.054±0.79に減少した。
VIsualization of subthreshold micropulse diode laser photocoagulation by scanning laser ophthalmoscopy in the retro mode.
Ohkoshi K et al(東京)
Amer J Ophthalmol 150(6): 856-62, 2010
・閾値下ダイオードレーザーでの超短時間照射後の凝固斑を、Retro modeでのレーザー走査検眼鏡(NIDEK F-10)で検出できるかどうか検討した。
・糖尿病黄斑浮腫の8例8眼とBRVOによる黄斑浮腫の1例1眼で行った。
・0.1秒200μm照射でテストを行って閾値を決め、実際の凝固は0.2秒 15%duty cycleで以下の3条件で行った。
・条件1:閾値の200%で200μm、条件2:300%で200μm、条件3:250~300%で125μm照射とした。
・照射直後に通常の眼底カメラでは照射部位は検出されなかったが、retro modeダイオードレーザーSLOでは、条件1では検出できなかったが、条件2と3では、7名中5名で黒点として検出された。
Intravitreal injection of autologous plasmin enzyme for macular edema associated with branch retinal vein occlusion.
Sakuma T et al(順天堂大)
Amer J Ophthalmol 150(6): 876-82, 2010
・26例26眼のBRVOによる黄斑浮腫患者(年齢58.7±6.6歳)に自己プラスミン酵素を硝子体内注射してその効果を検討した。
・全例、PVDは発生しておらず、注入時期は黄斑浮腫発症後平均4.2ヶ月。1国際単位/0.1mlを硝子体内注射し、その後、1週間、1,3,6,12ヶ月後に検討した。
・注射後23/26眼に全PVDが発生した。
・視力は23眼で2段階以上の改善があり、注入前の平均logMAR 0.550(小数点0.282)±0.298→0.450(0.355:1W)→0.362(0.435:1M)→0.256(0.555:3M)→0.233(0.585:6M)→0.175(0.668:12M)。
・網膜厚は徐々に減少し、平均中心窩網膜厚は602.12±148.87μm→379.89(1M)→350.77(3M)→294.46(6M)→253.62±116.58(12M)に減少した(いずれも、p<0.001)。
Topography-guided conductive keratoplasty: treatment for advanced keratoconus.
Kato N et al(慶応大)
Amer J Ophthalmol 150(4): 481-9, 2010
・進行した21例21眼の円錐角膜(年齢34.7±11.7歳)に対し、術中に角膜乱視を角膜リング(半田屋)でモニターしながら、角膜形状を指針とした角膜熱形成を行った。
・使用した器械はViewPoint CK SystemとRCS-200で、角膜形状用のチップを付けて、350-KHzのサイン波を60%の出力(最大200V)で600msec放出した。
・瞳孔領の角膜形状が正円になるまで、繰り返した。裸眼のlogMAR(UCVA)は術前1.65±0.49(小数点視力0.02)が、術後1週間で1.04±0.64(0.09 p<0.001)、1ヶ月で1.12±0.61(0.075 p<0.001)に上昇。
・眼鏡での矯正視力BSCVAは術前1.02±0.56(0.095)が、1週間後0.76±0.65(0.17 p=0.026)、1か月後0.76±0.60(0.17 p=0.003)に上昇。
・屈折度はー15.13±6.66Dが1か月後にー9.97±6.71Dに減少(p=0.002)。
・角膜形状やUCVA、BSCVAが術前に戻った場合でも、21眼中12眼では日常生活でCLを使用しやすくなっていた。
・5眼では術後結果が不良で角膜移植になったが、重篤な合併症はなかった。
Ischemic diabetic retinopathy may protect against nuclear sclerotic cataract.
Holekamp NM et al(MO USA)
Amer J Ophthalmol 150(4): 543-50, 2010
・糖尿病は核白内障に対して保護的に働くかどうかをScheimpflug写真により52眼で検討した。
・23眼は糖尿病患者で、そのうち14眼は虚血性の増殖性網膜症である。
・術前、虚血性網膜症眼は非虚血性糖尿病眼あるいは非糖尿病眼よりも、術眼においても(p=0.0001)、非術眼においても(p=0.03)、核白内障は少なかった。
・硝子体手術後に、非虚血性糖尿病眼と非糖尿病眼では同じ様に核白内障が進行したが、虚血性網膜症眼では核白内障の有意な進行はなかったため、6か月後(p<0.000006)、12ヶ月後(0<0.001)に有意に核白内障は少なかった。
・術前の水晶体混濁、年齢、その他の合併症などで補正しても、結果は変わらなかった。
・このことは、酸素への暴露が核白内障の形成に一役かっていることを支持するものである
Choroidal thickness in normal eyes measured using cirrus HD optical coherence tomography.
Manjunath V et al(MA USA)
Amer J Ophthalmol 150(3): 325-9, 2010
・34例34眼の正常者、平均年齢51.5歳(22歳から78歳)で、脈絡膜厚を測定した。
・RPEの後極端から脈絡膜強膜境までの脈絡膜厚を500μmおきに中心窩の耳側と鼻側の2500μm部まで測定した。
・74%で測定可能であった。平均中心窩下の脈絡膜厚(272±81μm)は年齢と負の相関があった(r=-0.61 p<0.0001)。
・網膜厚と脈絡膜厚には相関がなかった(r=-0.23 p=0.18)。
・中心窩から離れる程、脈絡膜厚は薄くなり、鼻側2.5mmでは平均157μm、耳側2.5mmでは平均218μmであった。
Use of intraoperative Fourier-Domain anterior segment optical coherence tomography during descemet stripping endothelial keratoplasty.
Knecht PB et al(Australia)
Amer J Ophthalmol 150(3): 360-5, 2010
・手持ちの前眼部FD-OCTで、DSAEK時のdonor-host interfaceを中心3ミリで調べた。
・OCTは、Bioptigen Spectral Domain Ophthalmic Imaging System(Bioptigen Inc, NC USA)。
・直径3mm内を100 B-scanし、各B-scanは1000 A-scansで構成される。
Visual outcomes of LASIK-induced monovision in myopic patients with presbyopia.
Garcia-Gonzalez M et al(Spain)
Amer J Ophthalmol 150(3): 381-6, 2010
・45歳以上(54.1±4.0歳, 47-64歳)の37例(女性22例、男性15例)の近視眼にLASIK後にmonovisionとして、6か月後の視力、コントラスト感度、両眼視機能を測定した。
・優位眼が右であった人が32例(86.5%)で、術前の球面屈折度はー3.14±0.6(-0.76~-5.75D)、乱視度はー0.98±0.3(-0.00~-2.50D)。
・6か月後の優位眼の屈折度は+0.08±0.6Dで、遠方UCVAは0.96±0.2。
・6か月後の非優位眼では屈折度はー0.97±0.46(-0.25~-1.50)で、遠方UCVAは0.65±0.2であった。
・両眼視では、裸眼で近見視力は0.74、48cmでの近見視力は0.88、遠方視力は1.08であり、老視のある近視の人にはmonovisionは有効なひとつの手段である
Intraocular pressure and related systemic and ocular biometric factors in a population-based study in Japan: The Kumejima Study.
Tomoyose E et al(琉球大)
Amer J Ophthalmol 150(2): 279-86, 2010
・久米島での40歳以上の4,632名中、3,762名(81.2%)を検査した。
・緑内障でない2,838名の眼圧は15.1±3.1(男15.2±3.1、女15.1±3.1)で、男女間に性差はなかった。
・多変量解析では、高眼圧は以下のものに相関があった:若いほど(p<0.001)、BMIが高いほど(p<0.001)、収縮期血圧高いほど(p<0.001)、糖尿病歴がある(p=0.001)、中心角膜厚厚いほど(p<0.001)、角膜曲率が強いほど(p<0.001)、眼軸が長いほど(p<0.018)。
・前房深度、Shaffer分類での隅角開放度には相関がなかった。
The significance of external limiting membrane status for visual acuity in age-related macular degeneration.
Oishi A et al(神戸)
Amer J Ophthalmol 150(1): 27-32, 2010
・AMD患者でPDT治療を行った158名について、OCTでのELMの状態(欠損、断裂、正常)と視力との関連を検討した。
・同時に中心窩厚、網膜下液・組織の有無、RPE下の液・組織の有無、IS/OSラインの状態、IS/OSとRPE間の中間線の状態についても検討した。
・ELMの状態と視力とは強い相関があり(r=-0.75 p<0.001)、IS/OSの状態との相関(r=-0.69 p<0.001)よりも強かった。
・多変量解析では、ELMの状態が最も視力に影響する重要なファクターであることが分かった。
Nocturnal intermittent serious hypoxia and reoxygenation in proliferative diabetic retinopathy cases.
Shiba T et al(東邦大)
Amer J Ophthalmol 149(6): 959-63, 2010
・当院で手術を行った68例の非増殖性DMRと、151例の増殖性DMR(PDR)について夜間の平均酸素飽和度(SpO2;%)、睡眠時の4%酸素不飽和指数(4% ODI times/hour)、最低SpO2(%)、SpO2<90%以下になった積算%時間(CT 90%)を求めた。
・PDR群と非PDR群とでは、SpO2%には有意差はなかったが、4%ODIは7.8±8.1:4.9±5.4(p=0.007)、最低SpO2%は82.3±9.6:87.0±7.8(p=0.0006)、CT90%は2.2±5.0:0.8±1.8(p=0.0006)で有意差があった。
・論理回帰解析では、若いほど(OD=0.90 95%CI=0.86-0.94 p<0.0001)、最低SpO2値が低いほど(OD=0.93 95%CI=0.88-0.99 p=0.02)、ヘモグロビンA1c値が高いほど(OR=1.30 95%CI=1.00-1.69 p=0.047)、PDRのリスクファクターになっていた。
・PDRの症例は睡眠時呼吸障害による夜間の間歇的な低酸素と再酸素化が繰り返されるエピソードがあり、最低SpO2値が低いほどPDR進展のリスクファクターになっているだろう
Ahmed Glaucoma Valve and single-plate Molteno Implants in treatment of refractory glaucoma: a comparative study.
Nassiri N et al(Iran)
Amer J Ophthalmol 149(6): 893-902, 2010
・Ahmed valve implantation(New World Medical,Inc)とMolteno single-plate implantaionの2年経過を報告する。
・緑内障治療薬を最大限使用しても、あるいは緑内障手術をおこなっても、眼圧が21以下にならない緑内障92例を無作為に2群に分けた。
・Ahmed valve implant(Model FP7:表面積184mm2)あるいは、Molteno single-plate implant(表面積134mm2)の2群に分け、24ヶ月以上経過観察した。
・術後眼圧が21以下にコントロールできたのはMolteno群46例中28例(60.9%) とAhmed群46例中29例(63.0%)であった
・成功群では眼圧は30.81±1.67→17.0±0.23と、33.06±1.66→15.36±0.33と低下したが、logMAR視力は0.66±0.12→0.78±0.12、0.59±0.12→0.70±0.11と有意に低下した。
・緑内障薬の数も2.8±0.11→1.03±0.27と2.7±0.11→1.41±0.19と有意に減少。
・両群とも視野は保全されたが、眼圧コントロールはMolteno群でやや良好であった。
Comparing glaucoma drainage implants.(Editorial)
Gedde SJ et al(FL USA)
Amer J Ophthalmol 149(6): 875-7, 2010
・最近、線維柱帯切除術が減り、緑内障瀘過インプラント手術が増えてきている。
・このインプラントでの最終眼圧はカプセルの厚みと表面面積で決まり、薄くて面積の大きいものがより低い眼圧が得られる。
・これらはend plateの大きさや形、材質で分類され、また、バルブ型かそうでないかで分けられている。
・バルブ型は術早期の眼圧下降に有利。Nassiriらの論文では、Ahmed群は、Molteno群よりも術早期の眼圧下降が大きかったが、後には、Molteno群の方が平均眼圧値は下がっていた。
・更なる比較テストが必要である。