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American Journal of Ophthalmology

2008
146巻

網膜移植の結果について

American Journal of Ophthalmology 146巻 (2号) 2008

Vision improvement in retinal degeneration patients by implantation of retina together with retinal pigment epithelium.
Radtke ND et al(USA)
Amer J Ophthalmol 146(2): 172-82, 2008
・網膜色素変性症(RP)6例と乾性AMD患者4例で視力が0.1以下の眼に対し、神経網膜幹細胞(progenitor cell)層sheetをRPEとともに移植した。
・EDTRSと同じ評価方法とした。
・患者全員とdonorの9/10で、deoxyribonucleic acidsが標識された。
・7例(RP3例とAMD4例)でEDTRS視力が改善した。
・このうち、3例(RP1例とAMD2例)で両眼が同程度視力改善。RP1例は不変、RP2例は視力低下を来した。
・RPの1例では、術前視力20/800→20/200に改善し、5年間持続したが、6年目に20/320に低下した。但し、非手術眼は手動弁まで低下している。
・この患者では光感度が22.75%上昇したが、他の患者では感度が改善した例はなかった。
・組織の拒否反応は起こっていない。

2008
146巻

加齢黄斑変性症と黄斑部硝子体癒着

American Journal of Ophthalmology 146巻 (2号) 2008

The role of abnormal vitreomacular adhesion in age-related macular degeneration: spectral optical coherence tomography and surgical results.
Mojana F et al(CA USA)
Amer J Ophthalmol 146(2): 218-27, 2008
・61例の滲出性AMD、59例の非滲出性AMDと50例の コ ン ト ロ ー ル者で spectral OCT/SLOを検査。
・硝子体皮質の癒着は滲出性AMDの17眼(27.8%)、非滲出性AMDの15眼(25.4%)、 コ ン ト ロ ー ルの8眼(16%)にみられ、群間には有意差があった(p=0.002)。
・癒着のあった眼で、硝子体黄斑牽引(VMT)は滲出性AMDの10眼(59%)、非滲出性AMDの2眼(13%)、 コ ン ト ロ ー ル眼の1眼(12%)にみられた。
・VMTはAMDの重症度と相関していた(p=0.0082)。
・VMTは抗VEGF治療に抵抗するであろう。

2008
146巻

CRVOに対するFluocinolone acetonideの効果と副作用

American Journal of Ophthalmology 146巻 (2号) 2008

Fluocinolone acetonide sustained drug delivery device for chronic central retinal vein occlusion: 12-month results.
Ramchandran RS et al(NC USA)
Amer J Ophthalmol 146(2): 285-91, 2008
・CRVOで治療に抵抗する慢性黄斑浮腫患者14名14眼に、3年効果のあるfluocinolone acetonideイ ン フ ゚ ラ ン トを硝子体内に移植し、12カ月後の視力、中心窩厚、眼圧を測定した。
・静脈閉塞と黄斑浮腫の持続期間は平均12.5ヵ月(7-49ヵ月)。
・術前のmedian VAは20/126で、2ヶ月後に20/60、12カ月後に20/80に改善した。
・12カ月後に視力は有意に改善した人が多かった(p=0.002)。
・網膜中心厚は12カ月後に、平均622→307、中間値600→199μmに有意に改善(p=0.008)。
・有水晶体眼5眼全眼で白内障が進行し、14眼中13眼で眼圧が上昇し、手術あるいは点眼治療が必要であった。

2008
146巻

黄斑円孔手術後の体位による術後成績の違い

American Journal of Ophthalmology 146巻 (1号) 2008

Comparison of face-down and seated position after idiopathic macular hole surgery: a randomized clinical trial.
Guillaubey A et al(France)
Amer J Ophthalmol 146(1): 128-34, 2008
・特発性黄斑円孔手術(SF6,C2F6かC3F8ガス注入)後の座位(P0)とうつ伏せ姿勢(P1)とでの結果を検討した。
・144例150眼を ラ ン タ ゙ ムに選択し、72眼をP0、78眼をP1に分け、5日間続行した。
・解剖学的な成功は全体で92.7%。P0群で87.5%、P1群で97.4%(p=0.027)。
・ただし、黄斑円孔径が400μm以下の群ではP0、P1間に有意差はなかった(p=0.47)。

2008
145巻

マルファン症候群の角膜曲率半径計測での診断

American Journal of Ophthalmology 145巻 (6号) 2008

The value of keratometry and centrel corneal thickness measurements in the clinical diagnosis of Marfan syndrome.
Heur M et al(OH USA)
Amer J Ophthalmol 145(6): 997-1001, 2008
・Marfan症候群と診断された62例(平均22.3才)と コ ン ト ロ ー ル群98例(平均19.3歳)で中心角膜厚を検討した。
・Marfanでは角膜曲率半径、CCT値は正常者よりも小さかった(40.8±2.1D:43.3±1.8D、p<0.0001。543.5±37.3:564.2±35.1μm、p<0.0001)。
・角膜曲率半径はMarfan症候群の鑑別診断に使用できる

2008
145巻

硝子体手術後に発症した黄斑円孔の検討

American Journal of Ophthalmology 145巻 (6号) 2008

Surgical outcomes for patients who develop macular holes after pars plana vitrectomy.
Kumagai K et al(上飯田第1)
Amer J Ophthalmol 145(6): 1077-80, 2008
・硝子体手術後に黄斑円孔になった47眼を検討。
・11眼:網膜前膜、9眼:網膜前膜+偽黄斑円孔、9眼:黄斑浮腫、9眼:増殖性DM網膜症、5眼:裂孔原性網膜剥離、4眼:その他。
・硝子体手術から黄斑円孔発生までは平均20.4か月であった。
・全例再手術を行い、32眼(68%)は1回で円孔は閉鎖し、視力は0.13→0.26に上昇。26眼(55%)で改善、18(38%)で不変、3(6%)で悪化したが、重大な合併症はなかった

2008
145巻

HIV陰性のサイトメガロウイルスぶどう膜炎

American Journal of Ophthalmology 145巻 (5号) 2008

Clinical features of cytomegalovirus anterior uveitis in immunocompetent patients.
Chee SP et al(Singapore)
Amer J Ophthalmol 145(5): 834-40, 2008
・cytomegalovirus(CMV)前眼部ぶどう膜炎で、HIV陰性患者の臨床所見を検討するのが目的。
・前眼部ぶどう膜炎で、HIV陰性で眼圧が高い患者(hypertensive anterior uveitis)105眼の前房水を調べCMVが陽性であった24眼(22.8%)について検討した。
・臨床的には、このうち、18眼(75%)はPosner-Schlossman症候群(PSS)、5眼(20.8%)はFuchs heterochromic iridocyclitis(FHI)、1眼は ヘ ル ヘ ゚ ス性前眼部ぶどう膜炎疑いであった。
・24眼中12眼でganciclovir治療を行い、全例軽快し、再検査で前房内CMVは陰性となったが、治療を中止後8か月以内に9眼で再発し、再度ganciclovir治療を行った。
・CMV陰性であった81眼では、30眼がPSS、11眼がFHI、27眼が原因不明のぶどう膜炎続発緑内障、13眼が ヘ ル ヘ ゚ ス性前眼部ぶどう膜炎疑いであった。

2008
145巻

全身麻酔による重篤な視力障害

American Journal of Ophthalmology 145巻 (4号) 2008

Perioperative visual loss after nonocular surgeries.
Newman NJ(GA USA)
Amer J Ophthalmol 145(4): 604-10, 2008
・眼科以外の周術期の視力障害の頻度は 0.002%で、心臓、脊椎手術では 0.2%であった。
・AIONは心臓手術で最も多く、PIONは脊椎、頚部手術で多かった。
・発症は5歳から81歳まであり、麻酔覚醒時に高度の視力障害に気付くのが典型例である。
・長時間のうつ伏せ姿勢、失血、低血圧、貧血、虚血、大量の輸液、血管収縮因子の使用、静脈圧上昇、頭位や患者の特別な血管脆弱性などが関与しているが、多因子である。

2008
145巻

DSAEKの失敗原因

American Journal of Ophthalmology 145巻 (4号) 2008

Causes of primary donor failure in Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty.
Ham L et al(Netherlands)
Amer J Ophthalmol 145(4): 639-44, 2008
・DLEK(deep lamellar endothelial keratoplasty)、DSEK(descemet stripping endothelial keratoplasty)、DSAEK(..automated..)とも呼ばれるが、3.5mm自己閉鎖角膜切開で行うものを我々はDMEKと名付けた。
・これらの方法は最高30%まで移植片の剥離が生じる。
・今回、術後1週間目で透明治癒せず、2回目の手術を行い、最初の移植片を調べた11例につき、光顕で調査し、失敗原因を検討した。
・9例では内皮密度は 1700個/mm2以上であった。3例は表裏反対、3例は手技の失敗、1例は経硝子体眼で空気での圧迫不足、4例は原因不詳であった。

2008
145巻

網膜静脈閉塞症発症の季節変動

American Journal of Ophthalmology 145巻 (4号) 2008

Seasonal variations in the occurrence of retinal vein occlusion: a five-year nationwide population-based study from Taiwan.
Ho JD et al(Taiwan)
Amer J Ophthalmol 145(4): 722-8, 2008
・1999.1から2003.12までのTaiwan National Health Insurance Research Databaseを調べ、網膜静脈閉塞症で外来あるいは緊急を受診した人をリストした。
・この保険は台湾2300万人の96%をカバーしている。
・CRVOあるいはBRVOの最初の診断がついた人は 20,792名(6,104名と14,688名)。
・40代では 0.89人/10万人、70以上では 10.52人/10万人。
・10万人当り、月変動では最低 1.78人(1999年10月)から 14.01人(2003年1月)で、平均4.12±2.37人。
・明らかな季節変動があり、1月が最高であった。

2008
145巻

角膜新生血管に対する アバスチン結膜下注射の効果

American Journal of Ophthalmology 145巻 (3号) 2008

Inhibition of corneal neovascularization by subconjunctival bevacizumab in an animal model.
Papathanassiou M et al(Greece)
Amer J Ophthalmol 145(3): 424-31, 2008
・12頭の白色家兎の片眼を4群に分けて実験に使用。
・第2,3,4群で苛性 ソ ー タ ゙(NaOH)で角膜火傷を起こし、3.75mg(25mg/ml) bevacizumabを結膜下注射した。
・第1群: コ ン ト ロ ー ル、第2群:14日目に生食の注射、第3群:14日目に治療。第4群:当日治療。
・28日目の角膜新生血管面積で治療判定を行った。
・第4群 4.7±3.1%、第3群 13.3±2.3%、第2群 41.0±3.6%で有意差あり(p<0.05)。
・第3群は14日目の治療前は23.0±6.6%であり、治療後軽快していた。
・ただ、瘢痕面積は第2,3,4群のいずれにおいても38-41%で、bevacizumabの影響はなかった。

2008
145巻

落屑症候群の遺伝子異常

American Journal of Ophthalmology 145巻 (3号) 2008

Lysyl Oxidase-like 1 polymorphisms and exfoliation syndrome in the Japanese population.
Hayashi Hisako et al(京大)
Amer J Ophthalmol 145(3): 582-5, 2008
・lysyl oxidase-like 1(LOXL1) geneの2つのsingle-nucleotide polymorphisms (SNPs)が落屑症候群と落屑緑内障と関連していることがわかってきた。Thorleifsson G et al. Science 317(5843): 1397-1400, 2007
・日本人でもこの2つのSNPsがXFSに関連していることがわかったが、日本人ではLOXL1の別のSNPもXFSに関連していることも分かった

2008
145巻

黄斑円孔手術時に使用したケナコルトの残存は有害か

American Journal of Ophthalmology 145巻 (2号) 2008

Improvement of visual acuity one-year after vitreous surgery in eyes with residual triamcinolone acetonide at the macular hole.
Hikichi T et al(札幌)
Amer J Ophthalmol 145(2): 267-72, 2008
・ILM除去のために硝子体手術時に使用した ト リ ア ム シ ノ ロ ンが術後の黄斑円孔修復と視力改善に影響するか否かを検討した。
・Stage 3か4の黄斑円孔で、triamcinolone assisted ILM除去を行った24例26眼で、術後に ト リ ア ム シ ノ ロ ンが円孔部に残存した例としなかった例とで比較。
・26眼全例で円孔は閉鎖し、9眼(35%)で術後3日目に中心窩に ト リ ア ム シ ノ ロ ンが残存していた。
・1年後の視力は、残存9例ではlogMAR=0.81(0.15)±0.33→0.20(0.63)±0.29。非残存の17例では、logMAR=0.71(0.19)±0.38→0.21(0.62)±0.28で、両群間に有意差はなかった

2008
145巻

全層角膜移植時の瞳孔整復の意義

American Journal of Ophthalmology 145巻 (2号) 2008

Iris reconstruction in penetrationg keratoplasty-surgical techniques and a case-control study to evaluate effect on graft survival.
Arundhati A et al(Singapore)
Amer J Ophthalmol 145(2): 203-9, 2008
・全層角膜移植の時に瞳孔形状を整復すると移植成功率が上がるかどうかを検討。
・PKPとpupilloplasty(iris reconstruction IR)を行った35例(27-77歳)と、PKPだけを行った70例を比較検討した。
・PKP+IR例は平均39.12か月経過観察し、8眼(22.9%)がfailであり、 コ ン ト ロ ー ル群では平均30.26か月の経過観察で、28眼(40%)がfailであり、有意差があった(hazard ratio 2.52, 95%CI 1.14-5.57, p=0.022)。
・視力も良い傾向があった(p=0.4)。
・理由は周辺収差が減ること、前房形成により隅角癒着が減り、iris diaphragmが移植角膜から離れることにより拒絶反応の リ ス ク フ ァ ク タ ーである虹彩後癒着がへり、続発緑内障も減ることによるのであろう

2007
144巻

ANCHOR スタディ:1年目のLucentisとPDTとの比較

American Journal of Ophthalmology 144巻 (6号) 2007

Ranibizumab for predominantly classic neovascular age-related macular degeneration: subgroup analysis of first-year ANCHOR results.
Kaiser PK et al(USA)
Amer J Ophthalmol 144(6): 850-7, 2007
・predominantly classic CNVでの、ranibizumab(Lucentis)とPDTを比較したphase 3 studyで、ANCHOR studyの12ヶ月目の テ ゙ ー タの分析である。
・ranibizumabはPDT患者よりも視力が良くなっていた。
・施行前の視力が悪いこと、CNVが小さいこと、年齢が若いほど、ranibizumabでの視力改善はよく、PDTでの視力低下が少なかった。
・ranibizumabはPDTよりも優れていた

2007
144巻

CRVOに対するアバスチンの効果

American Journal of Ophthalmology 144巻 (6号) 2007

Early bevacizumab treatment of central retinal vein occlusion.
Ferrara DC et al(NY USA)
Amer J Ophthalmol 144(6): 864-71, 2007
・3ヶ月以内に発症した未治療のCRVOの6例に対し、bevacizumab 1.25mg/0.05mlを4-10回、硝子体内注入した。
・施行前視力 20/428(log MAR:1.33)であったが、平均12ヶ月(7-15ヶ月)の経過観察で、視神経浮腫が軽快、血管蛇行軽快し、側副血行路も形成されず、最終視力は 20/53(log MAR:0.42, p=0.035)で、有意に改善した。
今後、更なる検討が必要

2007
144巻

浸出性AMDと硝子体網膜癒着

American Journal of Ophthalmology 144巻 (5号) 2007

Posterior vitreomacular adhesion: a potintial risk factor for exudative age-related macular degeneration?
Werner IK et al(Austria)
Amer J Ophthalmol 144(5): 741-6, 2007
・浸出性AMDと、非浸出性AMDあるいは正常者との差をB モ ー ト ゙とOCTで検討した。
・55歳以上の82例163眼で、55眼は浸出性AMD、57眼は非浸出性AMD、56眼は コ ン ト ロ ー ルで、b モ ー ト ゙でPVDが起こっている頻度、OCTで中心部の硝子体黄斑癒着の頻度を調査。
・PVDは、浸出性AMDの17眼(34.0%)、非浸出性AMDの41眼(71.9% p=0.00002)、 コ ン ト ロ ー ルの34眼(60.7% p=0.017)で発生していた。
・中心部の硝子体網膜癒着は、浸出性AMDの18眼(36%)、非浸出性AMDの4眼(7% p=0.0001)、 コ ン ト ロ ー ルの6眼(10% p=0.02)で発生。
・後部硝子体皮質の黄斑部への付着は浸出性AMDの リ ス ク フ ァ ク タ ーになる。
・硝子体網膜牽引が慢性の微度の炎症を起こし、あるいは、硝子体 ケ ゙ ル内の サ イ ト カ イ ンや フ リ ー ラ シ ゙ カ ルに黄斑部を曝したり、黄斑部の硝子体を介した酸化や栄養補給を阻害することによるのであろう。
・したがって、PVDは浸出性AMDの予防という意味で意義がある

2007
144巻

先天白内障の術前後の角膜中心厚

American Journal of Ophthalmology 144巻 (4号) 2007

Central corneal thickness: congenital cataracts and aphakia.
Muir KW et al(NC USA)
Amer J Ophthalmol 144(4): 502-6, 2007
・小児223人369眼(13日目から17歳:平均8±4歳)のCCTを測定した。
・緑内障、前眼部異常、眼圧30mmHg以上は除外し、小児白内障、偽水晶体眼、無水晶体眼のCCTを検討。
・白内障眼のCCTは574±54(n=46)で、正常者の552±38(n=230)より有意に厚かった(p=0.001)。
・白内障群から無虹彩眼、Down症候群、 マ ル フ ァ ン症候群、緑内障既手術眼を除くとCCT=564±34(n=36)となり、有意差はなくなった(p=0.07)。
・偽水晶体眼のCCT=598±56で、正常者より有意に厚く(p<0.001)、白内障眼とは優位差がなかった(p=0.06)。
・無水晶体眼のCCT=642±88で、正常者(p<0.001)、白内障眼(p<0.001)、偽水晶体眼(p=0.003)より有意に厚かった。
・白内障眼と他眼の正常眼とのCCTには強い正の相関があった(r2=0.7)。
・また、無水晶体眼では手術後の期間とCCTの間には正の相関があった(r2=0.6)

2007
144巻

水晶体皮質落下例の検討

American Journal of Ophthalmology 144巻 (3号) 2007

Pars plana vitrectomy for the management of retained lens material after cataract surgery.
Merani R et al(Australia)
Amer J Ophthalmol 144(3): 364-70, 2007
・1998-2003年の間の、223眼の水晶体皮質落下例で硝子体手術を行った例を検討。
・網膜剥離は20眼(9%)で発症。11眼は硝子体術前から、9眼は術後に発生。
・網膜剥離の頻度は低いが、硝子体手術までの時間が長いほど(30日以上ではp=0.0005)その発症頻度は高くなり、最終視力も悪くなる。
・網膜剥離発生は若年者で多かく、77歳未満ではそれ以上の人に比して OR=3.62(95%CI=1.27-10.3)p=0.016。

2007
144巻

白内障手術後の眼圧と中心窩厚との関連

American Journal of Ophthalmology 144巻 (2号) 2007

Intraocular pressure and foveal thickness after phacoemulsification.
Lee YC et al(Taiwan)
Amer J Ophthalmol 144(2): 203-8, 2007
・超音波乳化吸引+IOL移植の30例30眼の術後眼圧と中心窩厚を検討した。
・眼圧値:術後3時間 4.7±2.4、6時間 23.4±8.1、9時間 23.5±7.3、1ヵ月後2ヵ月後は術前より1.9mmHg低くなった。
・中心窩厚:術後3時間 202.1±19.2(有意に厚い)、9時間 182.3±20.5(有意に薄い)、12時間183.2±22.3(有意に薄い)。
・平均眼圧と平均中心窩厚みは有意に負の相関があった(p<0.0001, R2=0.8699)

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