The validity of routine brain MRI in detecting post-laminar optic nerve involvement in retinoblastoma
Byung Joo Lee et al (Seoul, Korea)
Br J Ophthalmol 2012; 96: 1237-1241
・41人41眼、眼球摘出時平均年齢23.1か月。摘出前に5㎜スライスの脳MRIを行ない、個別に2名の放射線科医が読影し、病理組織学的診断と比較した。
・41眼中14眼は組織病理学的に篩状板後方での視神経への浸潤が確認されたが、14眼中6眼は、2名の放射線科医で共に診断されなかった。MRIの正確さ、感度、特殊性は1人の放射線科医では73.2%、35.7%、92.6%、もう1人は78.0%、42.9%、96.3%で、ほぼ同等(P<0.01)。
・3㎜以下スライスの眼窩部MRIを用いた以前の調査と比較して、5㎜スライスの一般的なMRIは網膜芽細胞腫の視神経の浸潤の発見において同等の特殊性を示したが、感度では劣っていた。
・MRIの条件としては磁場の強さ、脂肪抑制の技術、見える範囲、スライス幅などがあるが、網膜芽細胞腫の視神経への浸潤の発見には、見える範囲とスライス幅が影響する。眼窩部MRIは今回の脳全体のMRIよりも部位の狭さから、より有効となる。脳全体のMRIはまた、磁場の同時性を減少させるため十分な脂肪抑制を必要とする点でも不利となる。また、狭い部位の検査にはより薄いスライスが有利である。これらの理由により、感度の低下をきたしたと推測する。(YM)