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British Journal of Ophthalmology

2014
98巻

再発性角膜びらんに対するALDとPTK治療の無作為比較試験

British Journal of Ophthalmology 98巻(2号)2014

A randomized controlled trial of alcohol delamination and phototherapeutic keratectomy for the treatment of recurrent corneal erosion syndrome
Elsie Chan et al (Australia)
Br J Ophthalmol 98(2):166-171, 2014
点眼やコンタクトレンズといった従来の治療によって改善しない、再発性角膜びらん(RCES)に対してコンピュータによる無作為割り付けにて17例でAlcohol delamination (ALD)、16例でPhototherapeutic keratectomy(PTK)を行った
除外:眼手術既往眼、用手的上皮剥離以外のRCESに対する治療、ヘルペスや他の角膜、外眼部疾患、角膜知覚低下、糖尿病の既往、18歳未満
アウトカム:治療前後における起床時の痛みの強さ(0-10のスコア)、覚醒時痛、再発、視力低下やHazeを含む術後合併症、追加処置

術直後 ジクロフェナク、プレドニゾロン点眼、コンタクトレンズ
術後 クロラムフェニコール、フルオメトロン0.1%の点眼 2週間
              夜間 眼軟膏3か月
症状の再発が強い場合はPTKを行った
結果:患者背景に有意差なし
調査期間:2007.5-2010.8
完全寛解:ALD群10眼(59%) PTK群6眼(38%)
部分寛解:ALD群  1眼(6%)  PTK群4眼(25%)
再発:  ALD群 5眼(29%) PTK群6眼(38%) 平均6Mと6.5M 有意差なし
追加PTK:ALD群3眼(6%)  PTK群2眼(13%)
Haze(1M):ALD群7眼(41%) PTK群8眼(50%) 12M後には消失

ALDもPTKも有意差は無し、24か月目の傷みスコアの差は統計誤差か?
どちらの治療法も有用でALDの方がリーズナブルであり、治療オプションとなりうる(MM)

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