眼科JOURNALトップ > British Journal of Ophthalmology > 強膜バックルに少量のガス注入を施行した患者の航空機での旅行の安全性を評価する

British Journal of Ophthalmology

2014
98巻

強膜バックルに少量のガス注入を施行した患者の航空機での旅行の安全性を評価する

British Journal of Ophthalmology 98巻(9号)2014

Evaluating the safety of air travel for patients with scleral buckles and small volumes of intraocular gas
Jason Noble et al. (Department of ophthalmology and vision sciences, University of Toronto, Toronto, Ontario, Canada)
Br J Ophthalmol  98(9): 1226-1229, 2014
・12名12眼のうち、強膜バックルあり6名、無し6名。15%C3F8ガス置換を伴うPPV手術後約1ヶ月で航空機旅行を想定した室内で評価した。
・室内は毎分300フィートの割合で最高高度8000フィートまで徐々に減圧される。
・開始前と開始後5分ごとに眼圧を計測した。開始前平均13±3㎜Hgから8000フィートでの26±9㎜Hgまで上昇した。
・バックルありの患者は無しの患者に比し、頂点が低かった。(20±5㎜Hg対32±8㎜Hg、P=0.013)
・眼圧上昇も少なく(7±1㎜Hg対19±7㎜Hg、P=0.001)、基準からの上昇割合も低かった(62±25%対140±40%)。
・少量の硝子体内ガス注入眼では模擬飛行による減圧状態で明確な眼圧の変化を示したが強膜バックル施行の患者には変動が少なく、このような患者は危険な眼圧上昇なしに航空機での旅行に耐えられると思われた。
・強膜バックルを施行の患者はシリコンバックル自体で眼球が硬くなっていることと、その形状の変形も眼圧上昇を防いでいると思われる。
・しかしながら基準の眼圧が高い場合は離陸直後に疼痛を訴え、旅行後に緑内障性視神経症が認められた症例もある。(YM)

過去のアーカイブ