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British Journal of Ophthalmology

2014
98巻

AMDでないCNVに対する陽子線照射:無作為臨床試験2年の結果

British Journal of Ophthalmology 98巻(9号)2014

Proton beam irradiation for non-AMD CNV: 2-year results of a randomised clinical trial
Ling Ghen et al. ( Retina service, Massachusetts eye and ear infirmary, department of ophthalomlogy, harvard medical school, Boston, Massachusetts, USA)
Br J Ophthalmol  98(9): 1212-1217, 2014
・AMD以外の原因で二次的に発生したCNVに対する陽子線照射(PBI)治療後の安全性と視力結果を評価する。
・AMDではなく二次的にCNVが発生し、視力が20/320以上の患者46名。PBIを16又は24CGE(cobalt gray equivalents)で照射に無作為に分類し、FAGを含む全眼科的検査を術前と術後6,12,18,24か月に施行した。
・術後1年で16CGEと24CGE群で視力低下が1.5ライン以下であった症例は各々82%と72%、2年後は各々77%と64%であった。
・軽度の合併症として放射線血管炎が17.6%で進行した。CNVはAMD以外でも病的近視、眼ヒストプラズマ症、angioid streaks、などのブルッフ膜の異常で発生しうる。
・自然経過は悪く、治療効果も様々である。中心窩外にはLKも有効であるが中心窩下には行なえない。
・PDTは近視由来の中心窩下CNVには有効であるが、効果は2年は続かない。抗VEGF治療はAMD由来のCNVほど効果が無い。
・その上抗VEGFとPDTは頻回に再治療を要し、患者には危険や不便が加わる。
・放射線治療は一度で済み、選択性から正常組織への損傷も少ない利点がある。
・当初はAMDの二次的CNVのための治療とされ、血管内皮細胞の増殖を妨げCNV複合体内のサイトカイン産生炎症細胞を防ぎ、繊維芽細胞の増殖を減らして、瘢痕形成をすすめる原理である。
・正常組織への放射線照射の合併症は正常組織への照射が主因だが、陽子線治療(PBI)は線量は90%以上が標的に照射されるため損傷は最小となる。(YM)

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