Comparison of primary graft survival following penetrating keratoplasty and Descemet’s stripping endothelial keratoplasty in eyes with prior trabeculectomy
Shawn M Iverson, et al. (Florida, U.S.)
Br J Ophthalmol 2015(11);99:1477-1482.
目的:線維柱帯切除後のDSEKとPKの移植片不全率を比較検討した。
対象と方法:少なくとも6ヶ月前からDSEKやPKを必要とする角膜疾患にかかっていて、角膜移植前に緑内障治療を受けていた50人50眼、平均年齢76.7±10歳。
DSEKはフックス角膜変性症、白内障手術後の水疱性角膜症に対して行った。実質の混濁、前房が浅いなど、DSEKが失敗しやすい症例にPKを行った。
DSEK 30眼 (レクトミー後 13眼、medical treatment 17眼)
PK 20眼 (レクトミー後 9眼、medical treatment 11眼)
4つのグループに分けて検討した(レクトミーDSEK、レクトミーPK、medical DSEK、medical PK)
結果:平均経過観察期間 DSEK 30眼 14.5±11.6ヶ月、 PK 20眼 19.7±15.8ヶ月
ベースライン時の特徴はグループ間で差はなかった。
術前眼圧はレクトミーDSEKではmedical DSEK、medical PK、レクトミーPKより低かった。
DSEKのうち5人は全く透明化しなかった。レクトミー3眼、medical 2眼
全てのグループで36ヶ月後のBCVAは改善した。
全てのグループでBCVA、眼圧で有意差はなかった。
移植片不全はDSEK 50%、PK 10%だった。特にレクトミーDSEK後の移植片不全は76.9%でレクトミーPK11.1%よりとても高かった(p=0.005)。
年齢が80.2歳以上だと不全率が高い(P=0.042)。その他、性別、民族、眼圧、高血圧、緑内障タイプなど差はなかった。
合併症は、一過性眼圧上昇 27眼で術後3ヶ月まで上昇した。その他、DSEKではグラフト解離 8眼。
拒絶反応 DSEK 6眼(その後2眼失明)、PK 0眼
結論:DSEKはPKより不全率高かった。DSEK前の緑内障手術は重要なリスク要因である。
大きな機能の良い濾過胞は、前房中の空気を維持しておく事を困難にするので、グラフト解離や移植片不全を増やすのかもしれない。(CH)