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British Journal of Ophthalmology

2019
103巻

耳側と鼻側角膜切開白内障手術での全体および後面角膜形状の変化

British Journal of Ophthalmology 103巻(2号)2019

Corneal shape changes of the total and posterior cornea after temporal versus nasal clear corneal incision cataract surgery
Ken Hayashi et al (JAPAN)
Br J Ophthalmol 103(2): 181-185, 2019
過去の報告では2.8mmより大きな切開では鼻側切開のほうが耳側切開よりも惹起乱視が大きいとされている(術後6週で1.65D vs 0.74D:Barequet et al. :JCRS 2004)が、2.4mm切開の白内障手術において左眼の手術を上方に座って行うか、耳側に座って行うかの違いを検討する
100例100眼左眼の白内障手術をランダムに2.4mm耳側あるいは鼻側角膜切開で行い、角膜乱視の術前後の変化、術後2日、2,4,8週目の変化を比較検討
術後2日、8週目では両群の変化はなかったが、2,4週目の角膜乱視は鼻側切開群の方が大きかった
角膜全体としては楔状の平坦化が、角膜後面では局所的な急峻化を認め、4週までは差があったが8週目には0.17Dの差となり、両群で差を認めなかった。
2.4mm以下の切開創であれば、鼻側からの切開でも耳側からの切開でも術後2ヶ月後には差がなくなるため、角膜形状という観点からは術者の好みで良いと考えられる(MM)

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