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British Journal of Ophthalmology

2019
103巻

網膜静脈分枝閉塞症に対する抗VEGF硝子体内注射治療後の視力改善の短期予測因子としてのベースライン時脈絡膜厚

British Journal of Ophthalmology 103巻(1号)2019

Baseline choroidal thickness as a short-term predictor of visual acuity improvement following antivascular endothelial growth factor therapy in branch retinal vein occlusion.
Nadim Rayess, et al. (PA, USA)
Br J Ophthalmol 2019(1);103:55-59.
目的:網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に続発する黄斑浮腫(ME)を有する患者における視力回復の予測因子としての初期脈絡膜厚を評価する。
対象と方法:未治療のBRVOと診断され、MEに対する3か月連続月1回の抗VEGF注射で治療された症例。
傍中心脈絡膜厚(SFCT)は、EDI-OCTの内蔵のキャリパーソフトウェアを使用して、網膜色素上皮(RPE)と考えられる高反射な線を基準線とし、RPE 底部から強膜との境界線までの距離とした。
BRVOの眼と他眼の両方について、ベースライン時と3ヶ月後の追跡調査時に脈絡膜厚測定値を記録した。そして抗VEGF注射治療のレスポンダー群およびノンレスポンダー群のベースライン特性を比較した。
結果:39人40眼。その内レスポンダー群23眼、ノンレスポンダー群17眼。
ベースライン時のSFCTは、ノンレスポンダー群(193.3±63.6μm;P=0.0036)および他眼(202.2±67.1μm; P=0.022)と比較して、レスポンダー群(240.4±73.1μm)においてより厚かった。
注射後3ヶ月で、レスポンダー群202.4±70.1μm、ノンレスポンダー群154.6±59.0μmと減少した。(共にp<0.001)
より高いベースライン時のSFCT(SFCTの100μmの増加ごとに)は、単変量解析ではレスポンダーの予測因子であるが多変量解析では予測因子ではなかった。
ベースライン時の視力はレスポンダー群1.15 ±0.55 logMARでノンレスポンダー群0.57 ±0.42 logMAR (p<0.001)と比較して有意に悪かった。
注射後3ヶ月で、レスポンダー群0.59±0.32 logMAR (p<0.001)に改善したが、ノンレスポンダー群では0.58±0.54 10gMARであった(p=0.962)
より悪いベースライン時視力(0.1 logMARの増加ごとに)は、多変量解析において視覚改善の予測因子であった。
結論:ベースライン時脈絡膜厚が厚いBRVOの未治療患者は、抗VEGF療法後の短期調査で視力改善する可能性が高かった。さらに、より悪いベースライン時視力はスネレン視力2ライン以上の視力改善と強く相関することがわかった。 BRVOにおける視力の予測因子としての脈絡膜厚の役割をさらに評価するためには、さらに大規模な前向き研究が必要である。(CH)

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