Decreased epithelial to corneal thickness ratio in healthy fellow eyes of patients with unilateral bullous keratopathy
Alexei N Kulikov,et al.( Russia)
Br J Ophthalmol 2020;104(2):230-234.
目的:片側水疱性角膜症(BKP)患者の健眼と健常者の眼の角膜上皮厚(ET)と中心角膜厚(CCT)の関係を調べる。
対象と方法:BKP患者17人(男性9人、女性8人、73.2±10.4歳)と健常者40人(男性20人、女性20人、69.5±9.8年)を対象とした。
ET、角膜厚 (CT)、角膜実質厚、およびETとCTの比率を測定(中心領域2 mm以内)。中心角膜上皮厚(CET)と中心角膜厚(CCT)を手動で測定し、実質厚とCET / CCT比を計算した。
結果:BKP患者の健眼の内皮細胞密度は、健常者よりも統計的に有意に低かった(それぞれ、1582±587 cells / mm2および2531±252 cells / mm2、p<0.001)。健常者の有水晶体眼と偽水晶体眼の間の内皮細胞密度に統計的に有意な差はなかった。
BKP患者の健眼では健常者と比較して、ETは統計的に有意に薄く(p <0.001)、CTは統計的に有意に厚かった(中心領域2 mm以内および角膜中心でそれぞれ28.9および30.9 µm)。中心領域2 mm以内のETとCTの比率(それぞれ0.091±0.01と0.10±0.004 (p <0.001))とCETとCCTの比率(それぞれ0.083±0.006と0.97±0.005 (p <0.0001))は健常者と比較してBKP患者の健眼で有意に低い。
結論:片側性BKP患者の健眼は、健康な年齢のマッチした対照と比較して、角膜実質の厚さの増加と上皮の薄さを示した。
明らかな角膜肥厚を伴わないCETとCCT比の低下は、片側のBKP患者の健常な眼における角膜内皮の無症状機能不全を示すと考えられる。(CH)