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British Journal of Ophthalmology

2020
104巻

膠様滴状角膜ジストロフィに対する治療用ソフトコンタクトレンズの有効性

British Journal of Ophthalmology 104巻(2号)2020

Efficacy of therapeutic soft contact lens in the management of gelatinous drop-like corneal dystrophy
Sayo Maeno et al. (大阪大学)
Br J Ophthalmol 2020(2);104:241-246.
・膠様滴状角膜ジストロフィ(GDLD)の全患者の15年間の記録を調べることにより、結節性病変、混濁、血管新生という特徴的な3つの臨床的特徴に対するSCL装用効果を評価した。
・11人17眼。そのうち11眼は継続的にSCLを装用しており(SCLオングループ:男性7名、女性4名)、6眼はSCLを装用していなかった(SCLオフグループ:男性3名、女性3名)。
・SCLオングループでは、SCLオフグループと比較して、結節性病変の進行率が有意に低いことが分かった(p = 0.0179)。混濁と血管新生に関して抑制効果は観察されず、視力にも有意な改善は見られなかった(logMAR値 SCLオン:平均= -0.036、SCLオフ:平均= 0.149)。SCLオングループの無手術生存期間は2770±1918日であり、SCLオフグループの1342±1323日よりも有意に長かった(p = 0.0007)。
・SCLの使用は結節性病変の進行速度が低く、手術の必要性が少なくなるため、GDLDの管理に効果的と思われる。(CH)

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