Progression of myopia in teenagers and adults: a nationwide longitudinal study of a prevalent cohort
Alexandre Ducloux, et al. (France)
Br J Ophthalmol 2023(4);107:644–649
・目的:ヨーロッパでは近視の有病率はそれほど高くないが、イギリスで行われた研究では、この数十年の間に10代の近視有病率がほぼ2倍になったという報告もある。今回、ヨーロッパの10代と成人における近視の進行を評価する。
・対象と方法: 2013年1月から2019年1月にかけて、近視の成人および10代の若者630,487人(平均年齢43.4歳±18.2歳、女性59.8%、平均SE-2.8±2.3D)を追跡調査した。データは、フランスのさまざまな地域にある696店の眼鏡店から収集された。近視は等価球面が-0.50 D 以上、高度近視は -6.00 D以上とした。
・近視の進行は、ベースライン時の眼鏡処方から12~26 か月後の再処方までの期間に、平均進行率が年間 –0.50 D以上と定義された。
・結果:平均追跡期間3.1年。近視が進行した割合は7.8%であった。
・若い年齢層(14~29歳)で割合が高く、14~15歳で18.2%、18~19歳の間で13.0%だった。
・その他、65-69歳、70-74歳、75-79歳、80-84歳、85-100歳の各年齢層で、それぞれ11.1%、12.7%、12.6%、10.6%、12.9%と高かった。
・高度近視の発症は、ベースライン時の年齢が若いことと、近視が強いことを組み合わせると、5年間の累積発症リスクは76%に達した。
・19~23歳の年齢層では58%、24~29歳では45%だった。
・結論:若い年齢層で近視が進行する割合が高いこと、近視進行の最も重要な危険因子は、近視の度数よりもむしろ若年層であることが示された。
・65歳以降になると、近視進行の割合が高くなることが観察されたが、これは核白内障の発生により、水晶体の屈折率が近視化したと考えられる。(CH)