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British Journal of Ophthalmology

2024
108巻

進行緑内障の進行予測要因としてのHFA 10-2

British Journal of Ophthalmology 108巻(1号)2024

Brit J Ophthalmol 108(1):71-77, 2024
Asaoka R et al(浜松市)
Identifying central 10°visual subfield associated with future worsening of visual acuity in eyes with advanced glaucoma.
・ベースライン感度が進行した緑内障で、(HFA 10-2)のどこのテスト点群(VSF)の初期感度が、将来、視力(VA)の悪化と関連しているかを検討した。
・(HFA 24-2)テストの平均MDが、少なくとも1眼でー20dB以下で、最高VAが0.5以上で、IOPがよくコントロールされている進行緑内障175例175眼を対象とした。
・すべての患者は5年の追跡調査を受け、VAは6ヵ月おきに評価し、VA低下に関連した視野の感度点を解析した。
・対象は、眼圧コントロールが良く。HFA24-2で過去2年間で進行がみられなかった症例である。
・緑内障以外、視野障害をきたす病態のない20-80歳(65.0±10.2)の患者
・屈折値が+4D未満、―8D以上か、眼軸長が27.0mm未満・緑内障手術を受けておらず、白内障手術は受けていてもよいが、合併症なしの眼
・HFA24-2のデータが悪いほうの眼を対象眼とした
・導入時の眼圧は13.0±3.0、logMARは0.00±0.12、24-2のMD値は-25.9±3.6dB、10-2のMD値はー24.0±5.5dB。
・視力低下(0.2以上のlogMARの低下)は28/175眼で発生
・視力低下は年齢とは関係なく、導入時の視力が悪かったことが関連していた(p=0.017)。
・視力低下は15.4%、失明(VA=0.05未満)は3.4%で発生した。
・HFA10-2では68点のうち15点(耳側の乳頭黄斑束部のVSF)でのTD値の低下が視力低下と相関があり(p<0.05)、HFA30-2では52点のうち4点でのTD値の低下が視力低下と相関していた(p<0.05)。
・HFA(1 0-2)テストのこの領域のTDの平均は、将来のVA悪化(0R=0.92、p<0.001)の最もよい予測因子であり、失明についても、同様の傾向があった
・進行緑内障眼では、10-2での耳側の乳頭黄斑繊維束の平均TD値が低下していた場合、十分に注意する必要がある。
・進行緑内障でもHFA(10-2)は有益であることが分かった。(TY)

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