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British Journal of Ophthalmology

2023
107巻

mini-SLET法という翼状片手術を評価してみた

British Journal of Ophthalmology 107巻(12号)2023

Oliva-Bienzobas V, Nava-Castaneda A, Jimenez-Corona A, et al. Comparison of mini-simple limbal epithelial transplantation and conjunctival-limbal autograft for the treatment of primary pterygium: a randomised controlled trial. Br. J Ophthalmol 2023; 107: 1776-1781.
・翼状片手術後の再発について筆者らの結膜再建に用いている術式、すなわち、①結膜-輪部の遊離弁移植(conjunctival-limbal autograft: CLAu)を露出した強膜上に接着する方式と②自己の輪部上皮を2×2mmで採取して6~8つに分けて翼状片切除後の輪部に接着する方法(mini-simple limbal epithelial transplantation: mini-SLET)、をランダム化比較試験で検討した。
・drop outもあったため対象は61眼。これを乱数表で分けてCLAu 33眼、mini-SLET 28眼の術後経過(術後1日、2週間、1か月、3か月、6か月、12か月)を比較した。
・Kaplan-Meier plotの図に示すように、1年後の再発率はCLAu 8.1%に対してmini-SLETが53.5%だった。
(以下は平野の心の声)
・やはり翼状片の手術後1年は経過を見るべき。
・mini-SLETの成績があまりに悪いため、試験の途中で30例に満たないままやめてしまっている。また、2つの手術はそれぞれ別の術者が担当している。群の分け方は公平で選択バイアスはなさそうだが、手術術式についてのこういうランダム化比較試験という方法での検討というのはいかがなものか。
・縫合は行わず、fibrin glueでの羊膜や遊離弁の接着をしている。(日本ではあまり行われていないが、縫合の代わりにそういう方法もある)
・羊膜は翼状片の再発予防には効果がない。(KH)

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