Cost-effectiveness of primary surgical versus primary medical management in the treatment of patients presenting with advanced glaucoma.
Kernohan A, et al
Br J Ophthalmol. 107(10):1452–7. 2022
目的:進行した緑内障による視力喪失に対する治療法の経済評価を行った。
方法:薬物療法と外科的治療(特に線維柱帯切除術)を比較する。
この研究は、OAG患者に対する一次外科治療と薬物療法の有効性を比較するために、国民保健サービスの視点から費用対効果分析が実施されたUKのTreatment of Advanced Glaucoma Study (TAGS)。
主要評価項目は、EQ-5D-5L(Euro Qol 5 dimensions 5-level)やHUI3(the Health Utilities Index Mark 3)などの健康関連の生活の質が用いられた。
結果:2年間の経過観察の結果、薬物療法が費用対効果に優れていることが示された。
具体的には、外科的治療は高コストでありながらも効果が大きく、QALYあたりの増分コストは45,456ポンドだったが、手術が費用対効果に優れている可能性は限られていた。
開放隅角緑内障(OAG)は進行性であり、新たに診断された患者の25%が進行した状態であり、視力喪失は患者の生活の質や医療資源に大きな影響を及ぼした。
薬物療法が短期的には費用対効果に優れているとの結論が得られたが、今後は長期的な治療のコストと利点に関する研究が必要である。
この研究は、進行した緑内障の管理戦略を評価した初めてのものであり、今後の研究において治療法の選択に重要な影響を与えると期待される。(KK)