High-risk factors for zonular complications during cataract surgery in eyes with pseudoexfoliation syndrome
Br J Ophthalmol2024；108
Hayashi K et al
・前眼部OCT（CASIA2;Tomey）の眼パラメーターを用いて、logistic回帰分析によるハイリスク因子の検討を行った論文。
・既報のハイリスク因子： 水晶体亜脱臼、核硬度、浅前房
＜結果＞
・31/315眼（9.8％）にチン氏帯合併症が発生
（内訳）22/31眼（71％)… チン氏帯脆弱化
3/31眼（9.7％）…後嚢破裂
1/31眼 (3.2%) …核落下
・本論文のハイリスク因子
1.散瞳不良(散瞳径6.3ｍｍ未満) …1による合併症リスク 4.81倍
2. 浅前房（前房深度2.074ｍｍ未満） …1かつ2による合併症リスク23.99倍
3.水晶体偏位（0.26ｍｍ以上） …1かつ2かつ3による合併症リスク 287.39倍
＜考察＞
落屑症候群眼の白内障手術に際しては前眼部OCT でこれらの眼パラメーターを術前に測定し、IOL強膜固定やcapsular tension ringをあらかじめ準備しておくことが必要である。 （AM）