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British Journal of Ophthalmology

2008
92巻

片頭痛者でRNFL厚は薄くなるか

British Journal of Ophthalmology 92巻(8号)2008

Retinal nerve fiber layer thickness measurements using optical coherence tomography in migraine patients.
Martinez A et al(Spain)
Brit J Ophthalmol 92(8): 1069-75, 2008
・OCTで測定した片頭痛患者のRNFL厚を年齢を一致させた正常者と比較した。
・前駆症あるものないものを含め、国際頭痛学会の基準での片頭痛者70例70眼(28.2±7.9, 18~49歳)と正常者53例53眼(28.0±8.1歳)で検査した。
・片頭痛群は頭痛スコア(MIDAS:34.3±15.2)、3ヶ月間の発作数(17.0±6.7, 6~28回)、頭痛歴(14.8±5.6, 5~30年)。
・片頭痛群の平均RNFL厚は正常範囲であったが、耳側のRNFL厚は有意に正常者よりも薄かった(62.2±10.8:70.8±12.4, p=0.0001)。
・片頭痛群内では、平均RNFL厚は頭痛スコア(r=-0.93 p<0.0001)、発作回数(r=-0.86 p<0.0001)と有意に相関があった。
・視神経乳頭面積やC/D比は正常者群と有意差はなく、臨床的にも緑内障者はいなかった。
・片頭痛時の血管収縮因子が球後の動脈を収縮させる可能性はある。
・視神経乳頭前部の血液補給が悪くなり、神経節細胞の死をもたらす可能性も否定できない

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