Development and distribution of refractive error in children with Down’s syndrome.
Al-Bagdady et al(UK)
Brit J Ophthalmol 95(8): 1091-7, 2011
・Down症候群(DS)で正視化の過程が不活化されているかどうかについて、幼児あるいは10代の小児について検討した。
・屈折異常はMohindra retinoscopyを用いて、182名の小児についての屈折度と、12名の小児については屈折度の経時変化について調べた。
・小学校入学前は半年に1度、その後は年1度測定した。全年齢で平均的には遠視であった。
・球面、円柱、軸を表示する為に、屈折異常値はベクトル成分としてM、J0、J45値を計算した。
・M:平均球面屈折値、J0:90゚と180゚のクロスシリンダー値と等価、J45:45゚と135゚のクロスシリンダー値と等価とした。
・この3つの値と1.0D以上の乱視の有無を検討した。
・M値とJ0値には年齢差はなかったが、J45値には有意な差がみられた。
・年齢とともに有意に斜乱視が増えており、10歳代では45%にみられた。
・経時変化をみた群では、球面度数に関しては有意な変化はなかった。
・この斜乱視の増加は眼瞼による機械的な誘発が疑われた。
Sustained elevation of intraocular pressure after intravitreal injections of anti-VEGF agents.
Good TJ et al(CO USA)
Brit J Ophthalmol 95(8): 1111-4, 2011
・抗VEGF製剤の何度もの硝子体内注入による眼圧上昇の頻度と、緑内障がこの現象のリスクファクターになるかどうかを検討した。
・抗VEGFの硝子体内注入を行った215眼の滲出性AMDについて、緑内障の既往がある群とない群に分け、注入頻度、注入回数と眼圧値について調査した。
・215眼中13眼(6%)に持続的な眼圧上昇があり、薬剤投与あるいはレーザー治療が必要となった。
・Bevacizumabだけを投与された群では9.9%(10/101)が、ranibizumabだけの投与群では3.1%(3/96)で、有意差があった(p=0.049)。
・緑内障のある群では33%、既往なし群では3.1%で有意差があった(p<0.001)。
・注射回数の中間値も緑内障のある群では6回(25%-75%値は5-10回)、緑内障既往なし群では9.5回(25%-75%値は6-13.7回)で有意差があった(p=0.031)。
・抗VEGF薬の硝子体内注射で持続的な眼圧上昇例は有意に発生しうることであり、事に緑内障既往者で多いことが分かった。
Warfarin in vitreoretinal surgery: a case controlled series.
Chandra A et al(UK)
Brit J Ophthalmol 95(7): 976-8, 2011
・硝子体手術患者の2%を占めていた60名のワーファリン治療中の患者(中間値72.5歳)について60名のコントロール眼と比較検討した。
・経過観察期間は0.88年で、INR値は0.94~4.6(中間値2.3)であった。
・コントロール群では2名の上脈絡膜出血があったが、ワーファリン群では0名であった。
・裂孔原性網膜剥離では、ワーファリン群では12名が硝子体出血を伴っていたが、コントロール群では4例だけであった(p=0.04)。
・online surveyを行ったところ、47回答(81%)が、INR値に則って、硝子体手術前にワーファリンを中断することを求めていた。
・ワーファリン内服者で特に合併症が多くなることはなかった。
Central macular thickness is correlated with gestational age at birth in prematurely born children.
Akerblom H et al(Sweden)
Brit J Ophthalmol 95(6): 799-803, 2011
・未熟児で誕生した5歳から16歳の65名の黄斑部の厚みをOCT3を用いて調べ、満産の55名と比較した。
・黄斑厚みは、ETDRS黄斑部に則った9部位(A1-A9)、中心窩最薄部、全黄斑容積で求めた。
・中心黄斑厚(A1)は満産児に比較して未熟児では有意に厚かった(204±19:226±24μm)が、黄斑厚と視力あるいは屈折度には有意差がなかった。
・未熟児網膜症ROPの重症度、有無に応じて、中心網膜厚A1は厚くなっていた(重症ROP:251、中度ROP:229、ROPなし:219、満産児:204μm)。
・中心窩最薄部でも同様であった(重症ROP:231、中度ROP:203、ROPなし:187、満産児:166μm)。
・多変量解析では生下時の在胎期間が黄斑厚の唯一のリスクファクターであった。
Change in optic nerve head topography in healthy volunteers: an 11-year follow-up.
Harju M et al(Finland)
Brit J Ophthalmol 95(6): 818-21, 2011
・36名の正常者の片眼をHeidelberg Retina Tomograph Ⅰ(HRT-Ⅰ)で11年間(7-13年間)経過観察した。
・全例で視野正常、緑内障性変化なく、NFLDなく、眼圧は22mmHg未満で、経過観察中も同様であった。
・HRTパラメータの優位な変化は、陥凹面積(0.372→0.394mm2、p=0.013)、Cup/Disc面積比(0.208→0.213、p=0.015)、リム面積(1.390→1.401mm2、p=0.015)、陥凹深さ(0.207→0.218mm、p=0.006)、陥凹の3次元的な全体形状(-0.206→-0.149、p<0.001)などがみられ、HRTで視神経乳頭の経時的変化の検出が可能であった。
Continuous intraocular pressure monitoring with a wireless ocular telemetry sensor: initial clinical experience in patients with open angle glaucoma.
Mansouri K et al(Switzerland)
Brit J Ophthalmol 95(5): 627-9, 2011
・連続して眼圧測定が可能な新しいwireless測定器Ocular Telemetry sensor(OTS)を開発し(Sensimed AG, Switzerland)、15名のPOAG患者の眼圧を測定した。
・OTSは眼圧変動によってもたらされる角膜形状変化を電気的に測定する小さなシステムを組み込んだディスポのシリコンコンタクトレンズである。
・OTSに組み込んだセンサーは直径11.5mmで、強角膜縁辺りに位置しており、中央部で600μm、周辺部で250μm厚である。
・CLのベースカーブは9.0, 8.7, 8.4の3種類を用意した。
・測定は10分おきに60秒間測定した。
・15名中13名(87%)で24時間眼圧測定が可能であった。
・1名はCLがはめられず、もう1名はモニター不良のために測定できなかった。
・13名中9名で最高眼圧は夜中であった。この測定器では、日中は瞬きによる眼圧変動や眼脈波も測定できる。
Monitoring intraocular pressure for 24 h.
Liu JHK et al(CA USA)
Brit J Ophthalmol 95(5): 599-600, 2011
・我々の睡眠研究室での未治療の緑内障患者では、夜間睡眠時の仰臥位での眼圧は、日中の座位での眼圧よりも有意に高かった。
・ただ、夜間の眼圧測定は、眼圧測定の為に患者を起こすことによるartefactの可能性もある。
・睡眠中の房水流量は、覚醒中の半分であり、体位が一定であれば夜間眼圧は日中眼圧より低い筈である。
・上強膜静脈圧の上昇や体液の灌流の為、座位での眼圧より測臥位での眼圧の方が数mmHg高いことなども分かっている。
・24時間眼圧モニターの有効性がここにある
Axial elongation following prolonged near work in myopes and emmetropes.
Woodman EC et al(Australia)
Brit J Ophthalmol 95(5): 652-6, 2011
・近業が眼軸長に影響を与えるかどうかを検討した。
・20名の近視(-3.11±2.24D)と20名の正視(-0.10±0.23D)の18-33歳(平均23.4±4.0歳)。
・近視は12歳以前に発生した10名の若年発症EOMと、12歳以上で発症した10名の後発発症LOMに分け、更に、過去2年以内に-0.5D以上近視が進行した進行群8名(LOM=1名、EOM=7名)と、停止群12名(LOM=9名、EOM=3名)に分けた。
・眼軸長はIOLMasterで、近業前、5D調節仕事を30分間行った直後とその10分後に測定した。
・近業作業直後には有意に眼軸長は長くなった。
・EOMでは0.027±0.021、LOMでは0.014±0.020、正視では0.010±0.015、進行群では0.031±0.022、停止群では0.014±0.018mmであった。
・近業終了10分後には有意差はなくなっていた。
・EOMと進行群では眼軸長の増加は正視群より有意に大きかった。
Small incision corneal refractive surgery using the small incision lenticule extraction (SMILE) procedure for the correction of myopia and myopic astigmatism: results of a 6 month prospective study.
Sekundo W et al(Germany)
Brit J Ophthalmol 95(3): 335-9, 2011
・48例91眼、年齢35.3歳、術前屈折度-4.75±1.56D、乱視度-0.78±0.79Dに対し、small incision lenticule extraction (SMILE) 方法を用いた近視のfemtosecond lenticule extraction (FLEx)の可能性について検討した。
・Carl Zeiss Meditec AG VisuMax femotosecond laser systemを使用して角膜実質の微小凸レンズ片を切りだし、McPherson鑷子で小切開部から切除した。
・6ヶ月目の屈折度は-0.01±0.49D、95.6%では±1D以内、80.2%では±0.5D以内で、83.5%ではUCVAは1.0以上、Satandardised questionnaireの質問では93.3%が満足していた。
Vitreoschisis in macular diseases.
Gupta P et al(CA USA)
Brit J Ophthalmol 95(3): 376-80, 2011
・硝子体分離は黄斑円孔(MH)、黄斑パッカー(MP)で存在し、他の黄斑症では発生しない病的なメカニズムだと考えた。
・サル14眼、MPの患者の病理組織も検討し、OCT/SLOでは45眼のMH、45眼のMP、51眼の乾性AMD、53眼の非増殖性糖尿病網膜症患者と45眼のコントロール眼で検討。
・サル眼では86%に後部硝子体皮質の薄膜が見られた。
・OCT/SLOでは、硝子体分離はMHの53%、MPの42%にみられたが、NPDRでは13%、AMDでは6%、コントロール眼では7%しか見られず、有意差があった(p<0.001)。
・分離した後部硝子体皮質の再結合はMHの36%、MPの33%でみられた。
・これらの所見は硝子体分離を伴った正常とは異なったPVDが、MHやMPの病因になっている可能性を示唆する。
Intravitreal bevacizumab for retinal vein occlusion and early growth of epiretinal membrane: a possible secondary effect?
Marticorena J et al(Spain)
Brit J Ophthalmol 95(3): 391-5, 2011
・RVOの25例25眼(CRVO 16眼、BRVO 9眼)で2.5mg/0.1mlのアバスチン硝子体内注入を行い、6週間おきに8.3ヶ月(4.5-13.5ヶ月)経過観察し、黄斑前膜の状況を調べた。
・4眼で注射後6-7週間でERMを発症したが、視力低下、変視症は出なかった。
・黄斑浮腫の再発はERM眼の1例、ERM発生しなかった眼の2眼でみられた。
・原因は分からないが、アバスチンの硝子体内注射はERMの早期の発症に関連しているだろう。
The effect of myopia on retinal nerve fibre layer measurement: a comparative study of spectral-domain optical coherence tomography and scanning laser polarimetry.
Wang G et al(China)
Brit J Ophthalmol 95(2): 255-60, 2011
・OCT3(Zeiss)とenhanced corneal compensator付きのscanning laser polarimetry(GDx ECC:Zeiss)で、近視眼の網膜神経線維層厚を比較した。
・149例149眼の近視を高度近視群(-6D以上)、中等度近視群(-3D以上-6D未満)、軽度近視群(-0.5D以上-3D未満)に分け、RNFL厚みとIOLMasterでの眼軸長、屈折度との関連を検討した。
・149眼の平均は年齢23.0歳(18.0-40.1歳)、屈折度-5.05D(-1.0~-11.1D)、眼軸長25.58mm(22.62-28.77mm)である。
・OCTでの平均RNFL厚は眼軸長(r=-0.322 p<0.001)、SE(r=0.291 p<0.001)と有意に相関があったが、GDx ECCでの平均RNFL厚は眼軸長(r=-0.068 p=0.497)、SE(r=0.109 p=0.187)で相関がなかった。
・OCTでの網膜厚は近視の度合いと共に薄くなっていたが、GDx ECCでは関連がなかった。
Increased iris thickness and association with primary angle closure glaucoma.
Wang BS et al(Singapore)
Brit J Ophthalmol 95(1): 46-50, 2011
・167名の閉塞隅角の人を対象にして、通常の暗所での前眼部OCTを測定し、強膜峡から750μmと2000μmの部位での虹彩の厚み(IT750、IT2000)と、虹彩の最大の厚み(ITM)と虹彩全体の切断面積(I-Area)を測定した。
・167名の内訳は、PAC:50名、PACG:73名、急性PACの遼眼:44眼であり、1153名の正常者を対象とした。
・平均IT750:0.499 vs 0.451mm p<0.001、IT2000:0.543 vs 0.479mm p<0.001、ITM:0.660 vs 0.602mm p<0.001、I-Area:1.645 vs 1.570mm2 p=0.014で、狭隅角眼でいずれも有意に大きかった。
・各パラメータの調整ODは、IT750:OR=1.7 95%CI=1.1-2.7 p=0.032、IT2000:OR=2.2 95%CI=1.3-3.8 p=0.006、ITM:OR=2.2 95%CI=1.3-3.6 p=0.003であったことから、狭隅角では虹彩は厚くなっていることが分かった。
Intraocular biopsy using special forceps: a new instrument and refined surgical technique.
Akgul H et al(Germany)
Brit J Ophthalmol 95(1): 79-82, 2011
・眼内腫瘍を生検するための 23G硝子体鑷子 Essen biopsy forcepsを開発し、20名に使用した。眼内腫瘍の厚みは平均3.48mm(1.1-9.8mm)で、全例で0.3-2.1mmの生検を行った。
Pain responses of Pascal 20ms multi-spot and 100ms single-spot panretinal photocoagulation: Manchester Pascal Study, MAPASS report 2.
Muqit MMK et al(UK)
Brit J Ophthalmol 94(11): 1493-8, 2010
・Pascalの20msecのmulti-spotと、100msecの単発での汎網膜光凝固(PRP)の痛みを調査した。
・24例40眼の増殖性糖尿病網膜症の初回治療者を両群にランダムに振り分けた。
・光凝固1時間後にnumerical pain score(NPS)で痛みの調査を、1ヶ月後にnumerical headach score(NHS)で羞明感の調査を行った。
・平均レーザー光量は20msec PRPは 4.8J/cm2で、100ms PRPはの11.8J/cm2より有意に少なかった(p<0.001)。
・平均NPS値は、20msecでは2.4±2.3(mild)で、100msecでは4.9±3.3(moderate)で、有意差があった(p=0.006)。
・平均NHS値は、20msecでは1.5±2.7で、100msecでは3.2±3.5で、有意差があった(p>0.05)。
・凝固後の羞明感の持続は、20msecでは3時間、100msecでは72時間で、有意差があった(p>0.001)。
・20msecの方が不安感、頭痛、痛み、羞明感ともに少なかった
Twenty-four-hour ocular perfusion pressure in primary open-angle glaucoma.
Costa VP et al(Brazil)
Brit J Ophthalmol 94(10): 1291-4, 2010
・29名の原発開放隅角緑内障患者の眼圧(IOP)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、灌流圧(PP)の日内変動を24名の正常者と比較した。
・測定は2時間おきに朝8時から翌朝6時まで行った。
・眼圧は8時から22時まではゴールドマン眼圧計、24時から6時までは仰臥位でPerkins眼圧計を用いた。
・POAGのIOPは有意に正常者より常に高かった(p<0.001)。
・POAGのIOPは、18時ころ最低19.93±4.03、4時ころ最高22.62±3.44、正常者のIOPは、16時ころ最低14.25±2.01、6時ころ最高16.17±1.58。POAGのSBPは4時から10時までと14時から18時まで、有意に高かった(p<0.05)。
・SBPは、POAGの最低-最高は、116.79(2:00)-131.76(8:00)、正常者では、100.83(10:00)-116.25(20:00)。DBPは、POAGは68.69(4:00)-79.31(8:00)、正常者では、64.17(10:00)-75.42(16:00)であった。
・またPOAGのDBPは8時から10時まで有意に高く、4時には有意に低かった(p<0.05)。
・POAGでは平均収縮期PP(SPP)は8時と10時で有意に高く(p<0.01)、平均拡張期PP(DPP)は24時から6時の間で有意に低かった(p<0.05)。
Central retinal thickness measured with HD-OCT shows a weak correlation with visual acuity in eyes with CSME.
Nunes S et al(Portugal)
Brit J Ophthalmol 94(9): 1201-4, 2010
・CSMEのある2型糖尿病者62眼で、SD-OCTで測定した500μm以内の網膜厚RTと最高矯正視力BCVAとの関連を検討した。
・SD-OCTでCSMEがみられ、500μm以内の中心窩の網膜厚RTが増大していない19眼では、RTとBCVAとの間に相関はなかった(R=0.062 95%CI=-0.404~0.502)。
・500μm以内の中心窩の網膜厚RTが増大していた43眼では、RTとBCVAとの間には中等度の相関がみられた(R=-0.459 95%CI=-0.667~-0.184)。
・RTとBCVAとは、500μm以内の中心窩が関与している時にだけ軽度の相関があるが、この場合にもたった48.8%の場合だけにみられたもので、RTは視力の代用とはならない
Entry site treatment to prevent late recurrent postoperative vitreous cavity haemorrhage after vitrectomy for proliferative diabetic retinopathy.
Steel DHW et al(UK)
Brit J Ophthalmol 94(9): 1219-25, 2010
・一人の術者で、増殖性糖尿病網膜症PDRの硝子体手術の最後に冷凍凝固あるいはアルゴンレーザーにて直接、強膜切開創の内面を処置した64例82眼と、処置をしなかったコントロール65例82眼とで、術後6か月以内に術後後期硝子体腔内出血POVCHの発生率を比較した。
・POVCHは処置群では5眼(6%)、コントロール群では12眼(15%)で、有意差があった(p=0.03)。
・6か月以内に再手術が必要であったものは、処置群では2眼(2.5%)、コントロール群では4眼(5%)であった(p=0.31)。
・手術は20G, 23G, 25Gで行い、硝子体を周辺部まで郭清し、間接レーザーあるいは眼内レーザーで鋸状縁まで1凝固斑を空けてしっかり凝固。
・その周辺部は冷凍凝固で固めた。強膜創を処置することは有効と思われるが、さらなる検討が必要。
Evaluation of the long-term rotational stability of single-piece, acrylic intraocular lenses.
Kwartz J et al(UK)
Brit J Ophthalmol, 94(8), 1003-6, 2010
・2種類のアクリルIOL:64眼のAkreos Adapt-Baush & Lombと、58眼のAcrySof SA60AT-Alconとで、術後3ヶ月後の眼内での回転を調べた。
・2年間の平均回転角は小さく、Akreos AdaptとAcrySof SA60ATでは、6ヶ月目は2.53±2.40゚と2.67±2.22゚(p=0.83)、12ヶ月目は2.57±2.28゚と3.66±3.0゚(p=0.08)、24ヶ月目は3.2±2.57゚と3.33±3.06゚(p=0.83)であった。
・米国規格協会のtoric IOLの動きに対する基準で5度未満の回転であったものを検出すると、AkreosとAcrySofとでは、6ヶ月は90%と89%、12ヶ月では91%と75%、24ヶ月では80%と81%であった。
・眼内レンズは24ヶ月までは多少、回転傾向があり、Akreos Adaptの方がやや少ない傾向があった。
Unexplained vision loss following removal of epiretinal membrane.
Roe RH et al(CA USA)
Brit J Ophthalmol, 94(8), 1033-9, 2010
・2000-2007年の間に、4つの施設の網膜外来で行った黄斑前膜手術後に発生した6例の術後の重篤な視力障害例について報告した。
・6例の術前視力は20/60-20/100(中間値 20/70)。
・術中合併症なく、術翌朝、全例、強い視力障害を訴え(指数弁から光覚弁)、強い中心暗点がみられ、全例、黄斑部は白濁化して黄斑浮腫になっていた。
・2ヶ月から5年の経過観察で、視力はやや改善したが20/200-手動弁であったが、中心暗点の原因は分からなかった。
稀ではあるが、発生することを認識しておく必要がある。