Antiglaucoma medications during pregnancy and the risk of low birth weight: a population-based study.
Ho JD et al(Taiwan)
Brit J Ophthalmol 93(10): 1283 6, 2009
・妊娠中に緑内障点眼薬を使用していた244例について、低体重児出産との関連を検討した。
・対照は1952例の年齢、出産年、高血圧、妊娠性糖尿病をマッチさせた女性である。
・点眼薬は77.5%がベータブロッカーであった。
・乳児は在胎週数など、父や母は教育レベルなど、両親の年齢差や収入などをマッチさせている。
・ベータブロッカー点眼群はコントロール群に比較して、低体重児の出産率に有意差はなかった(n=189 OR=1.48 95%CI=0.86-2.56)が、ベータブロッカー以外の点眼使用群では有意に多かった(n=55 OR=2.15 95%CI=1.05-5.00)。
・ベータブロッカー以外の点眼薬は、交感神経刺激剤20例、炭酸脱水素酵素阻害剤7例、コリン作動性薬12例、プロスタグランディン薬16例である。
・妊娠中はベータブロッカーが安全である。
Evaluation of filtering bleb function by thermography.
Kawasaki S et al(愛媛大)
Brit J Ophthalmol 93(10): 1331 6, 2009
・33例39眼の線維柱帯切除術後の瀘過泡の表面温度を測定した。
・瀘過泡の温度低下量をTDBとして表した。
・TDB=(耳側あるいは鼻側の眼球結膜温度-瀘過泡の温度)、とした。
・眼圧コントロール良好群と不良群のTDBは 0.54±0.20と、0.21±0.18度で、有意差があった(p<0.0001)が、Indiana Bleb Appearance Grading Scaleで表現した細隙灯での瀘過泡の形状には有意差はなかったことから、瀘過泡表面温度測定は瀘過泡機能の評価に有用である。
Outdoor activity and myopia in Singapore teenage children. Dirani M et al(Singapore)
Brit J Ophthalmol 93(8): 997-1000, 2009
・10代の子供1249名について、戸外活動と近視進行について検討した。
・近視の診断は1%cyclopentolate点眼後のautorefでの球面等価度数が-0.5D以下とした。
・戸外活動時間は平均 3.24時間/日であり、この時間が長いほど、近視は少なかった(OD=0.09, 95%CI=0.84-0.96, p=0.004)。
・近視の子(868名):3.09±1.92、非近視の子(381名):2.74±1.61時間。戸外活動時間は、近視屈折度と有意に負の相関があり(回帰係数=0.17, CI=0.10-0.25, p<0.001)、 眼軸の短さと相関があった(回帰係数=-0.06, CI=-0.1~-0.03, p<0.001)。
・これらは年齢、性、両親の近視、両親の教育、知能指数などで補正後のものである
Value of internal limiting membrane peeling in surgery for idiopathic macular hole stage 2 and 3: a randomised clinical trial.
Christensen UC et al(Denmark)
Brit J Ophthalmol 93(8): 1005-15, 2009
・78眼のstage 2,3の発症後1年未満の黄斑円孔硝子体手術を、1)硝子体手術のみ群、2)ICG染色ILM剥離群、3)TB染色ILM剥離群に分けて、結果を検討した。
・初回閉鎖率はstage2では、ICG群100%、ILM非剥離群55%(p=0.014)、stage3では、ICG群91%、TB群89%、ILM非剥離群36%(p<0.001)で、有意にILM剥離群で良かったが、円孔閉鎖例では視力値に群間差はなかった
Optic disc morphology and NAION (Editorial) Chan論文
Jonas JB
Brit J Ophthalmol 93(6): 703-3, 2009
・Non-arteritic anterior ischaemic optic neuropathy(NAION)について、Hayrehらは cup/disc比が小さく、小乳頭の人に起こりやすいとした。
・Hayrehらは夜間の動脈の低血圧が視神経乳頭の僅かな循環の虚血をもたらすと考えている。
・C/D比が小さい小乳頭ではこの虚血が組織腫脹をもたらし側副毛細管の閉塞を来し、典型的には乳頭の上半分の楔状の動脈閉塞を来す。
・夜間低血圧との関連については、多くの患者が朝起きた時に視力低下に気付くことで説明される。
・側副毛細管閉塞に組織浮腫が関与していることについては、早期のNAIONに対し、全身的なステロイドが有効であることで説明される
Quantitative assessment of optic nerve head morphology and retinal nerve fibre layer in non-arteritic anterior ischaemic optic neuropathy with optical coherence tomography and confocal scanning laser opthalmoloscopy.
Chan CKM et al(Hong Kong)
Brit J Ophthalmol 93(6): 731-5, 2009
・6か月以上持続する典型的な片眼性NAION 22例の両眼と正常者52例52眼をハンフリー視野、視神経乳頭と網膜神経線維層厚み(RNFLT)を測定。
・NAION眼、NAION健眼、コントロール眼で、
・視神経乳頭面積はOCTでは1.849±0.344、1.809±0.285、1.964±0.386、HRTでは2.11±0.38、2.06±0.40、2.16±0.42mm2
・カップ面積はOCTでは 0.246±0.187、0.172±0.180、0.469±0.332、HRTでは0.28±0.34、0.25±0.18、0.48±0.32mm2であった。
・NAIONでは、両眼とも陥凹面積とcup-disc面積比(CDAR)は有意に小さかったが(p<0.01)、乳頭面積は有意差がなく(p>0.21)、もっと大きなサンプルで検討する必要がある
Subclinical keratoconus and inframmatory molecules from tears.
Lema I et al(Spain)
Brit J Ophthalmol 93(6): 820-4, 2009
・30例の片眼の円錐角膜(KC)の両眼の涙液を10μl採取し、前炎症サイトカイン、metalloproteinase 9(MMP-9)の量を測定し、20例のコントロールの片眼の値と比較した。
・Cytokines(interleukin-6(IL-6), tumour necrosis factor α(TNF-α), MMP-9をELISAで測定。
・KC眼は、KC他眼、コントロールと比較して、IL-6値は 5.5(4.9-6.9)、5.7(4.5-6.2:p=0.13)、2.2(1.0-4.1:p<0.0001)pg/mlで、KC眼は有意に高かった。
・TNF-α値は 5.4(4.1-6.8)、4.8(4.2-6.0:p=0.032)、1.8(1.5-2.3:p<0.0001)pg/mlで有意に高かった。
・MMP-9値は 59.4(50.6-66.1)、7.0(4.8-8.6:p<0.0001)、6.1(3.9-8.3)で、KC他眼とコントロール眼は同程度であった(p=0.203)。
・このことから、KCの病態は慢性炎症であろう
Colour versus grey-scale display of images on high-resolution spectral OCT.
Brar M et al(CA USA)
Brit J Ophthalmol 93(5): 597-602, 2009
・Spectral OCTの表示がColorがよいか、grey-scaleが良いかを検討した。
・黄斑変性症患者のOCT所見を2人のreviewerが独立に網膜構造と病態を4段階に分析した。
・統計的に grey-scale imageが網膜前膜(p<0.009)、視細胞層(p<0.001)、RPE層(p<0.009)の構造を colour scale imageよりも有意に観察できた。
・Colour imageでは、検査眼の16.17%で視細胞disruptionを誤判定していた。
・Colour imageは疑似カラーであるため、そのdramaticな色変化がOCT反射率の大きな変化であると誤解してしまうためである
Projection OCT fundus imaging for visualising outer retinal pathology in non-exudative age-related macular degeneration.
Gorczynska I et al(MA USA)
Brit J Ophthalmol 93(5): 603-9, 2009
・超高解像度(3.5μm)の3次OCT(3D-OCT)と、網膜外層付近を強調したProjection OCT fundus imageを非滲出性AMD患者で撮影した。
・投影OCT眼底像は3D-OCTデータから異なった深さの網膜層を選択的に集積して作られたものである。
・RPE層レベル、外顆粒層レベル、視細胞外節レベル、脈絡膜レベルで再構築している
Sustaine postoperative face-down positioning is unnecessary for successful macular hole surgery.
Mittra RA et al(IL USA)
Brit J Ophthalmol 93(5): 664-6, 2009
・ステージ3と4の黄斑円孔手術後に1日のみ術後うつ伏せをした症例を53例56眼集め、成功率を検討した。
・3施設で15ヶ月間で行ったSF6かC3F8ガスを用いた連続例である。
・79%がステージ3であった。
・7眼以外はILM剥離を行っている。
・術前のlog MAR平均視力は0.74(小数点0.18)で、平均5.2か月後の術後視力は0.41(小数点0.39)。
・初回手術での円孔閉鎖は52眼(93%)であり、術後のうつ伏せは1日でよいと思われる
Twenty-four-hour intraocular pressure control with the travoprost/timolol maleate fixed combination compared with travoprost when both are dosed in the evening in primary opne-angle glaucoma.
Konstas AGP et al(Greece)
Brit J Ophthalmol 93(4): 481-5, 2009
・POAGで、travoprost単体と、travoprost/timolol maleate fixed combination(TTFC)合剤を夕方1回点眼の効果を24時間眼圧で比較した。
・32眼で6週間のwash-out期間後に、TTFCか単剤を8週間、その後、切り替えて別剤を8週間使用(randomised)。
・wash-out最後と治療中に24時間眼圧を測定した。
・TTFCでは、travoprost単剤より、すべての時間で2.4mmHg以上眼圧が低かった(p<0.047)。
・24時間内の眼圧変動はTTFCで3.0mmHg、単剤で4.0mmHgで有意にTTFCで少なかった(p=0.001)。
Characteristics of severe intraocular inflammation following intravitreal injection of bevacizumab(Avastin).
Georgopoulos M et al(Austria)
Brit J Ophthalmol 93(4): 457-62, 2009
・1つの病院で2500回の bevacizumab(Avastin)注入に対し、8例の重篤な眼内炎が発症した。
・患者は注入後2日以内に無痛性の視力低下を来した。
・全例、前房炎症が強かったが、hypopyonはなかった。
・後眼部病変としては硝子体内細胞浸潤であった。
・眼内炎を疑い、3例は全身的な抗生剤投与を行い、5例はぶどう膜炎にみられる偽肉芽腫性硝子体浸潤で局所抗生剤投与を行ったが、全例、最終診断はぶどう膜炎であリ、全身的、局所的ステロイド治療が奏功した。
・回復はゆっくりであったが(4日から60日:平均30.5日)、永続的な障害はなかった。
Intravitreal bevacizumab to treat subfoveal choroidal neovascularisation in highly myopic eyes: 1-year outcome.
Ruiz-Moreno JM et al(Spain)
Brit J Ophthalmol 93(4): 448-51, 2009
・28例29眼の中心窩下と傍中心窩CNVのある高度近視眼に、1.25mg bevacizumabを月毎に3回硝子体内注入を行い、1年間経過観察した。
・16眼は初回治療、13眼は以前にPDT既往であった。
・年齢は50±15(29-82)歳
・logMAR BCVAは開始前:0.55±0.25(小数点視力0.28:0.1-0.63)、1年後:0.38±0.32(小数点視力0.42:0.06-1.0)
・全例で3ヶ月後にCNVからの漏出は減少。
・中心窩厚は282±68→224±46μ(1年後 p=0.008)。
・6眼は再注入が必要であった(4カ月後1眼、6ヶ月後4眼、12カ月後1眼)が、眼局所ならびに全身副作用はなかった。
Atrophy of the lateral geniculate nucleus in human glaucoma detected by magnetic resonance imaging.
Gupta N et al(Toronto Canada)
Brit J Ophthalmol 93(1): 56-60, 2009
・両眼の視野欠損を有する緑内障患者10名と年齢を合わせた正常者8名で、1.5-Tesla MRIを使用し、両側LGNのCoronal proton density MRI像を撮影。
・診断を隠して3名のneuroradiologistがLGNの高さを測定。
・緑内障でのLGNの高さを正常者と比較すると、右LGNは4.09±0.89:4.74±0.54mm (p>0.05)、左LGNは 3.98±0.57:4.83±0.95mm (P=0.033)、両側を加えたものは 8.07±1.06:9.56±0.86mm (p=0.005)であった
・LGNの萎縮は視覚システムの外傷あるいは進行した緑内障患者の指標になりうる
Combination of verteporfin photodynamic therapy and ranibuzumab: effects on retinal anatomy choroidal perfusion and visual function in the protect study.
Kiss CG et al(Austria)
Brit J Ophthalmol 92(12): 1620-7, 2008
・AMDによるoccult or predominantly classic 中心窩下CNVで、ranibizumab 0.5mg硝子体注射と同時に通常のPDT(600mW/cm2)を受け(必要であれば、3,6,9カ月後も)、その後、毎月、計3回のranibizumab硝子体注射を受けた11名の患者を対象とした。
・9カ月後、7例は3-24文字改善、1例は不変、3例は8-24文字悪化した。併用療法後1週間以内にCNVはFAで閉塞が確認された。
・Verteporfin/ranibizumab併用療法は有効であろう
Same-day administration of verteporfin and ranibizumab 0.5mg in patients with choroidal neovascularisation due to age-related macular degeneration.
Schmidt-Erfurth U et al(Switzerland)
Brit J Ophthalmol 92(12): 1628-35, 2008
・Predominantly classic(n=13), Occult(N-19)のAMDによるCNVに対し、PDTをおこない(必要であれば3,6,9カ月後も)、同時、1,2,3ヶ月後にRanibizumab 0.5mgの硝子体内注射を行った。
・同日のPDTとranibizumabの注射は安全で重篤な視力障害や眼内炎症を起こさず、3ヶ月後の治療も最小限で済み、有効である
A study comparing two protocols of treatment with intravitreal bevacizumab(Avastin) for neovascular age-related macular degeneration.
Arias L et al(Spain)
Brit J Ophthalmol 92(12): 1636-41, 2008
・AMDによるCNVに対するbevacizumabを使用した治療で、2種類の使用法の治療効果を比較した。
・治療1(LD群):bevacizumabを1カ月おきに3回硝子体内注射し、後は必要に応じて注射。
・治療2(PRN群):最初にbevacizumab注入後は必要な時だけ追加注射した。
・必要との判断は黄斑浮腫の持続、網膜下液の存在やPEDの存在である。
・それぞれ25例に行い6ヶ月後の経過を見た。
・視力改善はLD群では13.7文字、PRN群では4.6文字。
・15文字以上の改善は、LD群では36%、PRN群では12%。
・中心窩厚の減少はLD群では91.3μm、PRN群では48.2μm。LD法の方が良い結果が得られた
Efficacy of intravitreal injection of bevacizumab for severe retinopathy of prematurity: a pilot study.
Kusaka S et al(阪大)
Brit J Ophthalmol 92(11): 1450-5, 2008
・14例23眼の未熟児網膜症(stage3:3眼、4A:18眼、4B:2眼)で、進行リスクが高いと考えられた血管活動性のROP、あるいは、光凝固治療を行っても牽引性網膜剥離を発症してきたROPにBevacizumab 0.5mgを最初に注入(15眼)あるいは硝子体手術終了時に注入(8眼)した。
・最初に注入した群ではFAGで新生血管の活動性が14/15で減退した。
・3眼では牽引性網膜剥離が発生あるいは増加したが、他の合併症はなかった。
・硝子体手術は20眼で行われたが、18眼は1回の手術で復位し、2眼では複数回手術で復位した。
・Bevacizumab注入は新生血管を抑え、通常のレーザー光凝固治療に抵抗する重症ROPには有効であると考えた
The association between thyroid problems and glaucoma.
Cross JM et al(USA)
Brit J Ophthalmol 92(11): 1503-5, 2008
・2002の National Health Interview Surveyに参加した12,376名について検討。すべて自己申告
・緑内障の自己申告有病率は 4.6%、甲状腺疾患の自己申告有病率は 11.9%。
・緑内障有病率は、甲状腺疾患があるとした人の中では 6.5%で、ないとした人の中では 4.4%であった(p=0.0003)。
・年齢、性、人種、喫煙等で補正すると、緑内障者が甲状腺疾患を持っているORは1.53(95%CI=1.22-1.93)であった(p<0.001)。
Wearing swimming goggles can elevate intraocular pressure.
Morgan WH et al(Australia)
Brit J Ophthalmol 92(9): 1218-21, 2008
・13種類の水泳用ゴーグルの目の部分に穴をあけ、アプラネーションで眼圧が測定できるようにして、ゴーグル装着中の眼圧を測定した試験検証実験。
・ゴーグル装着前、2分後、20分後、脱着後に眼圧を測定した。
・ゴーグル装着により眼圧は 4.5±3.7mmHg上昇し(p<0.001)、装着中は眼圧上昇は持続した。
・顔面との接触面積が狭いほど眼圧上昇は大きかった(p=0.013)。
・最も眼圧上昇の大きかったゴーグルは、垂直幅23mm、水平幅44mm、顔面面積796mm2で、2分後 14.7±11.7、20分後 13.4±11.2であった