Intraocular pressure following phacoemulsification in patients with and without exfoliation syndrome: a 2 year prospective study.
Damji KF et al(Canada)
Brit J Ophthalmol 90(8):1014-8,2006
・超音波乳化吸引術後の眼圧値の変化が落屑症候群(XFS)と非落屑症候群で差があるかどうかを検討。
・隅角が開放している183名で検討。XFS 71名(XFG 29名含む)、非XFS 112名(POAG 29名含む)。
・術前眼圧 XFS 17.60±3.23 非XFS 16.08±3.18 (p=0.002)。
・手術2年後の眼圧値の低下量 XFS -1.85 非XFS -0.62 (p=0.0037)。
・ 術前眼圧 2年後眼圧低下量 超音波時間 還流量ml
XFS 16.07±2.51 -1.85±0.63 0.90±1.35 313.0±143.5
control 15.23±2.57 -0.62±0.42 0.27±0.52 215.2± 50.8
XFG 19.81±2.90 -3.15±0.78 5.20±4.50 392.2±136.1
POAG 18.52±3.52 -1.54±0.86 2.52±3.75 240.2± 76.4
・XFSでの眼圧低下量は手術中の還流量と相関があったと筆者はしているが・・・
・落屑症候群では、緑内障があっても(XFG)、なくても(XFS)、非落屑群(正常あるいはPOAG)よりも眼圧低下量が有意に大きかった
Non-arteritic anterior ischaemic optic neuropathy is nearly systematically associated with obstructive sleep apnoea.
Palombi K et al(France)
Brit J Ophthalmol 90(7):879-82,2006
・非血管性前部虚血性視神経症(NAION)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関連を検討
・NAIONと新規に診断された患者を睡眠中polysomnographyで検査し、SASがあるかどうかを検討。
・NAIONの古典的リスクとされている高血圧、糖尿病、高脂血症、内頚動脈の動脈硬化病変についても検討。
・27名のNAION(男18名、女9名、年齢65±8歳、body mass index 27.2±3.8Kg/m2)
・27名中24名(89%)にSASがみられ、NAIONがSASを持っている率は、一般人口の4.9倍であった(p<0.001)
・SASはNAIONに古典的に合併するとされている高血圧や糖尿病の1.5~2.0倍の頻度で合併する最も頻度の高い障害であり、NAION患者にはSASに関する質問票を系統だてて提示するべきであろう
Recombinant tissue plasminogen activator injected into the vitreous cavity may penetrate the retinal veins of a porcine model of vascular occlusion.
Mahmoud TH et al(USA)
Brit J Ophthalmol 90(7): 911-5, 2006
・硝子体注されたtPAが網膜に到達するかどうか豚眼で検証
・4頭8眼の視神経を1時間クランプし、CRVOのモデルを作り、4眼に75μgのtPAを注入し、4眼に生食を注入し、2時間後に眼摘出し、組織検査。 2頭4眼にはクランプせず、同様に注入し検査
・両群共に、tPAはILMに強く染色し、静脈壁にも染色されたが、動脈壁には染色されなかった。
・ILMがtPAの網膜への移行を妨げている可能性がある
Selective lase trabeculoplasty: predictive value of early intraocular pressure measurements for success at 3 months.
Johnson PB et al(MA USA)
Brit J Ophthalmol 90(6):741-3,2006
・2001-2004の間に SLTを行なった95例132眼を対照とした retrospective study.
・年齢 69.8±11.7歳、術前眼圧 20.9±5.0mmHg
・POAG 90眼(68%)、NGT 17眼(13%)、PE 15 眼(11%)など
・術2週間後に1mmHg以上の眼圧低下のあったものは、4週後、3ヵ月後も99.24%が低い眼圧を示していた。
・11%以上の眼圧低下:2週間後(59%)、4週間後(54%)、3ヵ月後(68%)
・1%以上の眼圧低下:2週間後(73%)、4週間後(78%)、3ヵ月後(76%)
Human glaucoma and neural degeneration in intracranial optic nerve, lateral geniculate nucleus , and visual cortex.
Gupta N et al(Canada)
Brit J Ophthalmol 90(6): 674-8, 2006
・POAGの79歳男性の視神経以降の病理所見
・視交差までは、軸索の消失が著明、LGNは正常者に比べ、小さく、visual cortexではcortical ribbonが薄い
Improved automated perimetry performance following exposure to Mozart.
Fiorelli VMB et al(Brazil)
Brit J Ophthalmol 90(5):543-5,2006
・Mozartのピアノソナタは、空間的時間的推理能力を一過性に高め、右前脳、左側頭頂葉の脳波の干渉性活動があることも知られている(Mozart effect)
・Mozartのピアノソナタを10分間聴いた直後に検査した30名と静かな部屋に10分間留まっていた30名で、ハンフリー自動視野計(SITA 24-2)の検査結果に差がでるかを検討
・Mozart’s Sonata for Two Pianos in D Major (K448)
・被検者は平均年齢は22-23歳の検査に慣れていない男女半々である
・ピアノソナタを聴き終ってから、検査終了までの時間は10分以内で、右眼のみ施行。
・聴いた群では固視不良、false positive error, false negative error の発生率が有意に減っていた(p<0.05)
Suturing a tear of the anterior capsulorhexis.
Kleinmann G et al(UT USA)
Brit J Ophthalmol 90(4):423-6,2006
・5眼の72時間以内の新鮮な死体摘出眼で検討。
・CCC亀裂を1) 9-0 Ethilon 9011 CS 160-6、2) 9-0 Prolene D-8229 CTC-6L、3) 10-0 Prolene 9090 CTC-6 で縫合し、その引っ張り強度を検討。
・2)が最良であった
Randomised controlled trial of topical ciclosporin A in steroid dependent allergic conjunctivitis.
Daniell M et al(Australia)
Brit J Ophthalmol 90(4):461-4,2006
・シクロスポリンA 0.05%でステロイド離脱ができるかどうか検討。
・2重盲検では、シクロスポリンA 0.05%点眼はプラセボーよりも良いとは言えなかった
Refractive change in thyroid eye disease (a neglected clinical sign).
Chandrasekaran S et al(Australia)
Brit J Ophthalmol 90(3):307-9,2006
・甲状腺眼症TEDの5例で眼窩減圧術による屈折度変化を検討。
・1例では減圧術前に3.75Dの遠視化が起こった。
・減圧後1日から9ヵ月後に全例で1.0-2.5D近視化した。
・2例では眼軸長増加が近視化の原因であった。
・1例では減圧前の遠視化は眼球後極部の平坦化によることがMRIで判明し、これは減圧後に解消していた。
・遠視化の進行は甲状腺眼症の活動性を示唆するものと考えた
Combined photodynamic therapy and intravitreal triamcinolone injection for the treatment of subfoveal choroidal neovascularization in age related macular degeneration: a comparative study.
Chan WM et al(Hong Kong)
Brit J Ophthalmol 90(3):337-41,2006
・48例48眼のAMDによる中心窩下CNVに、IVTAとPDTの併用を24眼、PDTのみを24眼。
・併用群はPDT直後にIVTAを行なった。
・logMAR BCVAは、PDT+IVTA群 0.88-0.95(視力 0.13-0.11)(有意な悪化はないp=0.32)。PDT群 0.74-1.09(少数視力 0.18-0.08)(有意に悪化 p<0.001)
・PDT+IVTA群とPDT単独群の1年後の視力低下を来さなかった割合は70.8%と33.3%(p=0.009)
・predominant classic, occult CNVのいずれでも、PDT+IVTA群が視力低下防止に有意
Conjunctival epithelium improvement after systemic pilocarpine in patients with Sjogren’s syndrome.
Aragona P et al(Italy)
Brit J Ophthalmol 90(2):166-70,2006
・15名のShogren症侯群患者で検討
・2ヵ月間、ピロカルピンを内服し、1ヵ月後(T1)、2ヵ月後(T2)、中止後2週間後(T3)に検査
・全身、眼科所見、BUT、角膜染色、シルマーテスト、結膜imprintingを行なった
・結膜imprintingでの goblet細胞数の変化
1.6±0.6(T1)、0.6±0.7(T0)、T1でT0より増加 p=0.025。
5.1±1.7(T2)、T0,T1よりT2で増加 p<0.001。
1.9±1.1(T3)、T3ではT2より減少 p<0.001。
・口渇感、目の異物感はT1,T2で改善した。BUTはT2で有意に改善
・ピロカルピン内服は涙の分泌とは無関係にgoblet細胞の増加、結膜上皮の改善が得られる