眼科JOURNALトップ > Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology > hydroxybenzoateを含んだ球後麻酔薬の副作用

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2011
249巻

hydroxybenzoateを含んだ球後麻酔薬の副作用

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 249巻(12号)2011

Retinal vascular occlusion after vitrectomy with retrobulbar anesthesia- observational case series and survey of literature.
Tappeiner C et al(Switzerland)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1831-5, 2011
・球後麻酔を行った網膜硝子体手術後に網膜動脈閉塞症を発症した6例を報告する。
・網膜中心動脈閉塞は3ヶ月以内に3例、網膜動脈分枝閉塞は2-14日後に3例発症した。
・麻酔には防腐剤としてmethyl-, propyl-parahydroxybenzoateを含んでいる1%mepivacaineを使用した。
・パラオキシ安息香酸エステルを総称してパラベンと呼称されており、主に飲料向けの防腐剤として使用されているが、食品・医薬品あるいは化粧品の防腐剤としても使用されている
・麻酔注射液のキシロカイン注射液はクロロブタノール含有であるが、マーカイン注射液はメチルパラベン、プロピルパラベンを含有している
・この内3例は、3-12ヶ月の間隔で行われた2回目の網膜硝子体手術後に発生しており、何らかの長期的な蓄積効果が疑われる。
・防腐剤なしのmepivacaine使用例では血管閉塞症の発生はなく、防腐剤が血管閉塞に影響を与えた可能性がある。

過去のアーカイブ