Effects of trabeculectomy on posture-induced intraocular pressure changes over time
Akira Sawada et al (Gifu University ,Japan)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol (2012) 250 :1361-1366
・36人36眼のPOAGで、MMC使用トラベクレクトミー患者を調査。座位と側臥位での眼圧を術前と、1,3,12ヶ月後で測定。
・術前平均眼圧は座位で17.4±4.9㎜Hg、側臥位で21.3±5.6㎜Hg(P<0.001)。この差3.9㎜Hgは、トラベクレクトミーから1ヶ月後に1.3±1.7㎜Hg、3ヶ月で0.8±1.5㎜Hgへ減少した。(P<0.001とP=0.004)
・緑内障での視神経萎縮には、眼圧の数値のみでなく、その変動が影響しうると言われている。ゆえに、姿勢による眼圧の変動は視野の悪化につながりうる。トラベクレクトミーは大きく眼圧を下げるが、飲水試験での上昇巾も減少し、乳頭出血も減らす。
・トラベクレクトミーは、眼圧の数値を減少させるのみでなく、姿勢による変動巾も減少する。この変化は、濾過胞が機能していれば、術後少なくとも1年は続く。
・姿勢による変動の機序は明瞭ではないが、仮設として、脈絡膜血管の過密と上強膜圧の上昇によるものであり、房水産生は関係無いであろうと言われている。トラベクレクトミーは、濾過胞を通して新しい房水流出路を作ることが原理で、上強膜静脈とは関係無い。ゆえに、レクトミーが姿勢による眼圧の変動を抑制することは理論通りであると思われた。(YM)