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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2013
251巻

非動脈炎性前部虚血性視神経症に対しするステロイド治療の功罪

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 251巻(1号)2013

Visual and anatomical outcomes of non-arteritic anterior ischemic optic neuropathy with high-dose systemic corticosteroids.
Robolleda G et al(Spain)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 251(1): 255-260, 2013
・非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)に対して全身的なステロイド治療の効果、副作用について検討した。
・急性期にステロイド内服80mgから漸減した10例10眼と、治療しなかった27例について調べた。
・診断時、6-8週後、6ヶ月後で調査した。
・治療群と非治療群とで、VA中間値に有意差はなかった。
・視野のMD値、視野のpattern SD(PSD)値、平均RNFL欠損量などにも有意差はなかった。
・副作用をみると、投与群では3例に全身的な副作用がみられた(ステロイド起因性鬱、DMのコントロール不良でinsulin治療を開始、NAION発症後6週目に両側の肺梗塞)。
・その他、2例にステロイド緑内障を発症し、そのうち1例はステロイド中止後も眼圧が下がらなかった。
・2例ではNAION発症後2ヶ月目と3ヶ月目に健眼にNAIONを発症した。
・非治療群では合併症を起こした例はなかった。
・NAIONに対するステロイド治療は、効果がないばかりでなく、副作用を発症するので、すべきではない。(TY)

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