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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2013
251巻

慢性腎不全患者の血液透析による眼圧・眼表面・黄斑の変化

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 251巻(1号)2013

Effect of hemodialysis (HD) on intraocular pressure, ocular surface, and macular change in patients with chronic renal failure
Effect of hemodialysis on the ophthalmologic findings
Jung JW, Chin HS, et al.(Korea)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 251(1):153–162, 2013
・慢性腎不全患者30名、血液透析(HD)直前・直後に眼科的検査を施行しその変化および全身変化との関連を検索
・HDによる体液補正により血漿浸透圧が変化。眼圧は2.4±2.1mmHg下降、中心角膜厚は6.9±5.5μm減少。TBUTとShirmer’s テスト値はHD後に有意に減少、角膜上皮障害スコアは増加。SD-OCTによる網膜厚はHD後に減少、中心窩網膜厚は7.4±9.9μm減少。眼表面の変化は視力と検査精度にも影響。
・HDによる全身的な変化(体重・膠質浸透圧など)とこれらの変化とは(網膜厚の変化を除いて)有意な関連がみられた
【結論】すべてのCRF患者でHD後の眼科的所見の変化がみられた。これらの変化は血漿の膠質浸透圧の上昇と関連していた。HD患者に眼科的検査を施行するにはHDを施行しない日かHDの前の方が良い。さらにはこれらの患者の診察結果を正確に比較するには、HDと眼科検査との間隔を考慮すべきである。(MK)

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