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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2013
251巻

眼サルコイドーシス:口唇の唾液腺生検(LSGB)をいつ行なうべきか

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 251巻(3号)2013

Ocular sarcoidosis: when should labial salivary gland biopsy be perfomed?
Claire Bernard et al (Hopital de la Crois-Rousse, Lyon, France)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 251(3): 855-860, 2013
・サルコイドーシスの診断には一般にツベルクリン皮内テスト、血中ACE値、血中と尿中カルシウム値、肝酵素、胸部X線又はCT検査、組織生検は採取しやすい結膜や皮膚を勧める。これらが陰性であった場合ガリウムシンチを行なう。放射線で典型的所見を認めたら経気管支肺生検を勧める。確定診断は生検組織の病理診断であるが、これができなくても眼サルコイドーシスとして診断する条件が確立されてきている。LSGBは肺、リンパ節生検よりも検出率は低いが、より簡易な手技である。
・眼サルコイドーシスか原因不明のぶどう膜炎が疑われたためLSGBを行なったぶどう膜炎患者115名中6名(5.2%)にサルコイド肉芽腫を認めた。肉芽腫はACE値が上昇しているか又はCTスキャンで疑いの所見のある患者のLSGBにのみ認められた。その後41人に他の部位の生検を行ない29人(70.7%)に陽性、このうち3名はLSGB陽性のため、生検でサルコイドーシスの確定診断ができたのは32名(27.6%)であった。ゆえに生検でのLSGBの感受性は18.75%(6/32)。他の83名の最終診断は眼内巨細胞リンパ腫、結核、ライム病、多発性硬化症、HLA-B27起因ぶどう膜炎、毛様体扁平部炎症など。うち43名は原因不明。
・ACE値の上昇と(又は)胸部CT所見にサルコイドーシスの疑いのある患者に確定診断のためのLSGBは簡易にして有効な方法と思われた。(YM)

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