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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2013
251巻

睡眠時無呼吸症候群とRNFL厚、視神経乳頭面積

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 251巻(6号)2013

Retinal and optic nerve evaluation by optical coheernce tomography in adults with obstructive sleep apnea-hypopnea syndrome (OSAHS).
Casas P et al(Spain)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 251(6): 1625-1634, 2013
・視神経乳頭周囲のRNFL厚、視神経乳頭(ONH)形状パラメータ、黄斑厚、黄斑容積を50名96眼(50.9±12.4歳)の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAHS)で調べ、年齢マッチさせた正常者33例64眼と比較した。
・全員、矯正視力は20/20以上、屈折度は±3D以内、眼圧21mmHg未満である。
・OSAHSでは鼻側乳頭周囲のRNFL厚が74.7±15.8μmで、Ctrlの81.1±16.6と比較し、有意に薄かった(p=0.047)が、OSAHSの病態の重症度には相関がなかった。
・垂直のRIM面積(VIRA)はOSAHS:Ctrl=0.67±0.41:0.55±0.29mm3(p=0.043)、水平方向のRIM幅(HIRW)は 1.87±0.31:1.80±0.25mm2(p=0.039)、視神経面積は 2.74±0.62mm2:2.48±0.42(p=0.002)で、いずれも有意にOSAHSで大きかった。
・殊に視神経面積では重症なOSAHSでは2.8±0.7mm2で、より大きいことが分かった。
・耳側の黄斑厚(1-3mm)の黄斑厚は軽中等度のOSAHSでは重度のものより有意に厚かった(270±12μm:260±19 p=0.021)。
・OSAHS患者で陽圧酸素治療を行うと脳容積が4%減少したとの報告もあり、虚血による細胞体、核の炎症性の浮腫は、VEGF、酸化窒素などを放出し、黄斑厚の増大を来たすが、いずれ、萎縮、神経死になっていくのではないかと推論した。
・乳頭周囲のRNFL厚や視神経乳頭面積などはOSAHSの早期診断になる可能性もあるだろう(TY)

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