Long-term intraocular pressure changes after vitrectomy for epiretinal membrane and macular hole.
Fujikawa M et al(滋賀医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 252(3): 389-393, 2014
・57眼のERMと61眼のMHについて、眼圧経過を追った。
・ERM群(66.0±9.4歳)の平均経過観察期間は29.3±15.7か月で、術眼の手術前眼圧は12.9±2.5mmHg、最終眼圧は13.2±2.9、他眼眼圧は13.0±2.5であったが、MH群(65.1±7.3歳)は25.6±14.1か月の平均経過観察期間で、術前眼圧は13.3±2.5、最終眼圧は14.0±3.2、他眼眼圧は12.9±3.2であった。
・黄斑円孔群では術眼と他眼との最終眼圧の差に有意差があったが(p<0.01)、ERM群では差はなく(p=0.40)、MH群では硝子体術後に有意に眼圧が上昇するリスクが高かった(p<0.01)。
・術中のERM群とMH群の差は、TA可視化は36.8%:82.0%、ICG染色は5.3%:83.6%、ILM剥離は15.8%:100%であった。
・TA残存の効果は1か月と言われているが、術後1か月目の眼圧は両群とも術前より低下しており、除外できるだろう。
・術後の炎症ストレスの差が炎症性サイトカインの増加あるいは液空気置換後に線維柱帯に細胞などが詰まる、あるいは術後のうつ伏せも影響している可能性もあるが、多変量解析ではこれらは影響が少なく、年齢と基礎眼圧が原因として抽出された。(TY)