Intraocular pressure reduction after initial failure of selective laser trabeculoplasty (SLT)
Marcelo Ayala (Sweden)
Graefes Arch Clin Exp Opthalmol 252(2): 315-320, 2014
目的:初回SLT加療で眼圧降下が得られなかった症例に線維柱帯(TM)の同じ部位と異なる部位にSLTを2回目に施行した眼圧につき考察する。
方法:繰り返すSLT治療による眼圧下降を調べる。
患者は全員がPOAG又はPE緑内障。全例初回SLTはTM下方半周180度にSLTを施行されている(SLT1)。
2回目のSLTは1回目と同じ治療されたTM領域か、未治療の上方TM領域のどちらかに施行(SLT2)。眼圧は術前とSLT2加療後、2時間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後に測定。
結果:各群40名。術前両群間で年齢、性別、PEの有無、SLT1と2の間の時間、SLT1以前の眼圧、SLT2以前の眼圧において差は無かった。結果として、SLT2加療後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月での2群間に眼圧の差は無かった。
結論:SLTを2回施行する場合に2度目を同じ区域でも異なる区域に施行しても眼圧に差は無い。
ALTを繰り返す事は眼圧上昇。癒着等のため制限されるがSLTはALTよりもエネルギーが少なく組織損傷が少ないゆえに追加可能である。今回は波長が約532nmのYAGレザーを用いて、スポットサイズは約400㎛、TMの180度に上に約50発を施行した。エネルギーは0.9mJで開始し、気泡形成まで増減調節した。術後アプラクロニジンを一度のみ点眼し、スラロイドは使用していない。全患者に1度目は下方180以上にSLTを施行。SLT1後1,3,6,9,12,18,24ヶ月後の眼圧測定で術前の20%以上の下降が無い症例に再施行。前回と同じ下方又は新たに上方に施行するかは無作為に決定。術後2時間、1,3,6ヶ月後に眼圧を3回測定平均した。同時に炎症が出ていないかも確認した。SLT1の後1ヶ月で24から18㎜Hgであった眼圧は平均6㎜Hg下降し、SLT2の後1ヶ月でも同様に23から18㎜Hgであった眼圧は平均5㎜Hg下降し、これは区域に無関係であった。(YM)