眼科JOURNALトップ > Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology > 非動脈炎性の前部虚血性視神経症におけるトリアムシノロン硝子体注射

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2014
252巻

非動脈炎性の前部虚血性視神経症におけるトリアムシノロン硝子体注射

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 252巻(2号)2014

Intravitreal triamcinolone injections in non-arteritic anterior ischemic optic neuropathy
Corina Radoi et al. (France)
Graefes Arch Clin Exp Opthalmol  252(2): 339-345, 2014
目的:非動脈炎性の前部虚血性視神経症(NA-AION)により視力低下と視神経乳頭腫脹をきたした36名のうち21名に4mgIVTAを行ない、無治療の15名と比較した。6ヶ月後に視力(VA)、網膜神経線維層厚、視野を評価した。
結果:治療群では無治療群よりも視力は良好(P=0.0035)。視野も同様(P<0.0028)。
結論:この後ろ向き研究により、NA-AIONの早期にIVTA治療を受けた患者は、6ヶ月後に視力と視野は改善した。
NA-AIONは、中高年に著しい視力低下をきたす急性の視神経の虚血病変であり、危険因子としてはHT,DM,高脂血症、動脈硬化、睡眠時無呼吸、視神経の解剖学的要因などがある。視神経の虚血は急性浮腫の数ヶ月後には視神経乳頭の軸索欠損から萎縮をきたす。
炎症を改善して虚血の連鎖を減らすためにはステロイドによる加療が最も有効と考えられる。ステロイド全身大量投与は全身合併症のある患者には危険な副作用があり、今回IVTAを検討した。(YM)

過去のアーカイブ