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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2014
252巻

POAG眼で過去の手術や点眼薬が前房内サイトカイン発現へ影響を与えるか

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 252巻(5号)2014

The effect of previous surgery and topical eye drops for primary open-angle glaucoma on cytokine expression in aqueous humor
Lisa A. Engel et al (Germany)
Graefe Arch Clin Exp Ophthalmol 252(5): 791-799, 2014
・Group A: 手術既往歴なし、点眼治療あり、緑内障手術となったPOAG患者 13眼
・Group B: 手術既往歴あり、点眼治療あり、緑内障手術となったPOAG患者 19眼
                            (6カ月以内に手術しているものは除く)
・Group C: 緑内障のない、白内障手術患者
・各手術の術前に前房水を100μl採取し、30種類のサイトカインを調べた
・AとCの比較ではIL-6とCCL2がCで上昇していたが他は差がなかった
              →眼圧下降点眼のみで前房内のサイトカインが上昇するわけではない
・AとBの比較では、BにおいてIL-6,IL-8,CCL2,CXCL9,HGFが上昇、CCL5が減少
・Bで上昇、G-CSF,IL-8,IL-12,CXCL10,HGF/ G-CSF,IL-12,HGF:リンパ球の活動を反映
・Cで上昇、IL-17,CCL5,VEGF   炎症を反映
・結論:
・白内障手術であっても過去の内眼手術はその後のレクトミーに悪影響を及ぼす可能性がある
・緑内障点眼が眼内のサイトカインに与える影響は少ない。
・G-CSF: 網膜のガングリオン細胞や虚血再灌流の障害でneuro-protective factorとして働き、緑内障で多く発現する
・IL-6: レクトミーのnegative factorとして発現し、瘢痕を促進する 眼圧下降薬では変化がなかった
・IL-8: neurotoxin として働く。IOP上昇とも関係。TMのoutflow regulationに関与している可能性(まだ詳細不明) 
・CCL2:モノサイトの遊走に関与 IL-8と同様に房水流出阻害に関与
・IL-12:緑内障眼で上昇するが、レクトミー失敗のリスクファクターではないという報告
・CXCL9: 緑内障眼で上昇 Th1型免疫応答に関与
・HGF:創傷治癒に関与(MM)

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