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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2017
255巻

緑内障眼に対するDMEKの早期の移植片障害

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 255巻(4号)2017

 Descemet membrane endothelial keratoplasty (DMEK) early stage graft failure in eyes with preexisting glaucoma
Maximilian Treder, et al. (Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol (2017)(4) 255: 1417-1421
目的:DMEK術後早期での既存緑内障の影響を調べる。
対象と方法:DMEK を受けた59人74眼、平均経過観察期間152 ± 70日、平均年齢70.3 ± 10.6歳
主な疾患はフックス角膜変性症71眼
グループ1 緑内障なし 65眼
グループ2 緑内障あり 9眼、全例緑内障点眼を使用、1眼レーザー毛様体破壊術
結果:術前視力 グループ1 0.71 ± 0.37 logMAR
             グループ2 1.42 ± 0.50 logMAR (p = 0.001)
  術後3ヶ月 グループ1 0.56 ± 0.54 logMAR
              グループ2 0.69 ± 0.62 logMAR  (p = 0.564)
術後視力は両グループで有意に改善した。
眼圧は術前ではグループ1 14.9±3.5mmHg、グループ2 17.9±4.4 mmHgと、グループ2で有意に高かったが(p = 0.001)、術後3ヶ月では、グループ1 14.1±4.4mmHg、グループ2 13.9±4.5mmHgで差はなかった
再移植、前房内空気再注入などの合併症も相違なかった。
結論:緑内障眼に対するDMEKの術後早期では、緑内障のない症例の術後結果と大きな相違は認められなかった。(CH)

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